2009年8月18日火曜日

菌類で葛を除草

Fungus Could Be Kudzu Killer: Scientific American Podcast

米国農務省のAgricultural Research Serviceの科学者が、蔓草や葛を駆除するために菌類を使用する試験を行っています

「南部を食い尽くす蔓草」と呼ばれている「葛」は、成長がとても早く、森の中の丸太小屋なら数日程度で完全に覆われてしまうほどです。この侵入植物は毎年150,000エーカーもの土地を覆っています。除草には年間600万ドルの費用がかかっています。

しかしアメリカ農務省の植物病理学者が葛に急速に広がる菌類を用いた有望な対処方法を見つけました。この菌類はMyothecium verrucariaといいます。初期の試験では菌類は旧来の植物の90%を覆っていた葛の全てを駆除しました。最も重要なことはMyotheciumが葛の周囲に群生する、松、杉、樫、ピカンやヒッコリー、ブラックベリー、もちろんササフラ等の植物やその種子に殆どダメージを与えないことです。

では問題となるものは? この菌類はトリコテセンと呼ばれる化学物質を出す事です。トリコテセンは動植物にダメージを与えます。しかし研究者達は培養槽や流動食で育てた菌類でトキシン類の発生を急激に押さえる事が出来ることを発見しました。もしこれらの菌類を安全に散布することができるようになれば、葛をお払い箱に出来ることでしょう。


heave-hoは「よいしょっと」というようなかけ声の意味もあるので、ツタを「よいしょっと」引きはがすように、葛をお払い箱に出来る・・・という意味になるんだと思います。ダジャレですね。

それにしても、葛がそんな急激に広がっているとは思いもしませんでした。それに対して菌類の散布で対処しようなんて、流石やることが豪快というか、大味というか・・・・実施に当たっては本当に慎重な検証を行う事になるんでしょうけど、やっぱり人や土地、他の生物に対する副作用、弊害が気になってしまいます。


  • fungus : カビ、菌類(複数形 funguses) 
  • kudzu : 葛
  • cabin : 丸太小屋
  • take over… :・・・を支配する、占拠する、引き継ぐ
  • plant pathologist : 植物病理学者
  • infested with… : ・・・に群がっている
  • tricothecenes : トリコテセン カビ系の毒素
  • fermenter : 培養槽
  • liquid diet : 流動食
  • toxin  : トキシン類 これも菌類の毒素、腐海の主成分(嘘)
  • precipitously : 急激に、あっというまに
  • heave-ho : よいしょ、お払い箱

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