2009年8月8日土曜日

痒みの起源が明らかに

Scratching the Surface of Itch: Scientific American Podcast

Sicence誌にて発表された研究で、ネズミがかゆみに反応するニューロンを持つ事が明らかになり、それらは痛みを感じる部位とは異なる事が分かった。

友人の4歳になる娘が最近、蚊にさされてどんなに不快な思いをしてるか文句を言ってきました。そのとき、彼女はいまにも大泣きしそうな顔をしていました。私たちを注意散漫にするこの「かゆみ」の不快な感覚について、多くの科学者達はこれまで、痛みに反応する神経系と同じものであると考えてきました。しかしながら、単なる痛みではなく、痒いから掻く、という命令を人間に下すニューロンの探索は、ずっと成功していませんでした。

8/7刊行のScience誌の記事によると、研究者達はついに、ネズミの脳内に特定のかゆみに反応するニューロンを発見しました。科学者達は、過去のかゆみにより反応するネズミの研究結果を徹底的に洗い出すことによって、これらのニューロンが脊髄に位置していると結論づけました。

科学者達がそれらのニューロンを不活性化させたところ、ネズミは痒みを引き起こす刺激があった場所にたいしても、そこを最早ひっかこうとしなくなりました。しかし、痛みには反応し、それを避けることができました。これは痛みと痒みを感じるプロセスが独立であることを示しています。研究者達は、この成果が最終的には、特定の生化学的な経路をターゲットとした、慢性的な痒みに対する良い治療法に繋がる事を期待しています。4歳の子どもにたいしてはどうすればよいでしょうか? 大丈夫です。もうすぐお昼ご飯がはこばれてくれば、ムシに喰われた痒みなんて直ぐ忘れてしまうでしょうから。


これも面白いです。確かに、昔、痒みと痛みを感じる神経は同じ物で、痒みのひどくなった物が痛みとして感じる、と習い覚えた事があります。知覚している末梢神経は同じですが、脳はそれを全く違うものと認識して、痒みと痛みを分けて扱っているということが動物実験で分かったという事ですね。

慢性的とは行かなくても、虫にさされた結果、しばらく続く痒みっていうのは大変いやなものです。現在の痒み止めは、有効成分に加えてメントール等の刺激物を一緒に塗って「まぎらす」ようにすることが主流みたいですが、将来的には痒みの神経反応そのものを抑制することができるようになるのかもしれません。痒みは時に耐え難い苦痛になるでしょうから、そのような痒みに苦しんでる人達にとっては福音となるに違いないです。


  • scratch : ひっかく、消す
  • surface of… : ・・・の表面、・・・に関して隠している事
  • devote : 投票する、投下する、没頭する
  • sensation : 感覚
  • burst into tears : 涙であふれる、ワーッと泣きそうになっている
  • distraction :  気をそらす、注意散漫、気分転換
  • deal with : 対処する(★★)
  • spinal cord : 脊髄(spinal : とげ状の cord : ひも、弦)
  • follow up on… : ・・・を徹底的に追求する
  • stimulus : 刺激、鼓舞など、知覚刺激(複: stimuli)
  • knock out : (ここでは)不活性化させる
  • eventually : 最終的には
  • chronic : 慢性的の
  • as for… : ・・・に関しては
  • urge  to… :

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