2009年9月30日水曜日

シャンパンの泡が味わいのカギになっている

Champagne Bubbles Key to Taste: Scientific American Podcast

Proceedings of the National Academy of Science誌に寄せられた研究で、シャンパンの泡が破裂することによって、良い香りのする物質が提供され、味に加わる事が分かった。

シャンパンで乾杯しましょう。そしてシャンパンに偏在する「泡」にもです。なぜなら新しい研究で、泡が飲んでいる人の舌を物理的に刺激しているだけでは無いことが分かったからです。これらの泡は香りと一緒に噴出し、この香りは飲料物に欠かせない味わいとなっているのです。

フランスの研究者チーム(他にだれがいるでしょう!)は質量スペクトロスコピーをシャンパンがそそがれたグラスの先端に使用しました。チームはある物質の濃度が、液体自身よりもグラスの表面で高くなることを発見しました。かれらはこの発見をProceedings of the National Academy of Sciences誌にて報告しました。

研究者達は、海がシャンパンの秘密を共有していると言っています。もし海の香りを楽しんだことがあるならば、それは界面活性剤と呼ばれる物質が波の泡に引っ張られてきた結果です。泡が破裂したとき、界面活性剤はエアロゾルと呼ばれる小さい分子に分割し、海風の中に止まります。そして海岸周辺に特色のある「潮の香り」を与えるのです。本質的には、シャンパンはこれらのプロセスのより小さいものを引き起こします。しかし、泡はより食欲をそそるエアロゾルをグラスの表面に運びます。

ドン・ペリニョンがシャンパンの栓を開けたとき「私は星を味わっている!」という言葉を残したという伝説があります。しかし、これは物理や科学の問題で、天文学ではありません。しかしながら彼は本当にシャンパンを楽しんでいたと言うことになりますね。

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シャンパンの独特の香りが、炭酸の泡によってもたらされ、それがシャンパンの味わいに決定的な影響を与えているという研究でした。

  • bursting bubbles 気泡の破裂
  • compound 化合物、合成物
  • raise 起こす、立てる、上昇させる
  • toast パンを焼く、乾杯する
  • ubiquitous 偏在する
  • tickle ムズムズする、喜ばせる
  • erupt 噴出する
  • vital 主要な、生命維持に必要な、極めて重大な
  • aroma 良い香り、芳香
  • beverage  飲料
  • nose 鼻、嗅覚、機種、先端
  • concentration 集中、濃度
  • surfactant 界面活性剤
  • suspend ぶら下がる、一時停止する、~をけん濁する
  • coastal 海岸の
  • distinctive 特色のある ★★
  • in essence 本質において
  • host 主役、主催する
  • savor 満喫する

2009年9月15日火曜日

心を解き放てば忘れる

若い脳はつらい記憶を忘れることができる。しかし年老いた脳はそうでない傾向がある。Science誌に寄せられたある動物実験の結果で、年老いた脳を若い状態にもどしより柔軟にできるかもしれないことが分かった。

思い出す事が難しい出来事があります。しかし、あるものは忘れる事が難しい・・・特に衝撃的な出来事は。しかし、私たちは子どもは大人よりも、つらい出来事を忘れるのが得意であることを知っています。現在、科学者達は何故人々がそれを知っているのか考えています。動物実験の結果によると、大人の脳はつらい記憶を止める物理的なバリアを持っています。

大人にとって、感情を邪魔する出来事は脳に焼きついてしまう傾向があります。そしてその記憶は再浮上し不快感、恐怖を引き起こし、心的外傷後ストレス障害を引き起こしさえします。しかし、若い脳はより回復力があります。そして、不快な記憶を消し去りさえします。

若いときの忘却のような、より良い取り扱いを得るために、科学者達は若いネズミと年老いたネズミの脳を研究しました。彼らは年老いた脳では扁桃体の特定の細胞を囲む細胞間のつながりを発見しまいした。扁桃体は感情的な記憶に関係のある部位です。特定の音声に対して足に軽い刺激を与えた大人のネズミは、その音が聞こえるだけでたじろいだ反応を見せました。しかしある薬品でそのバリアを溶解させる、取り除くと年老いたネズミは恐怖の記憶を消す能力を取り戻しました。結果、そのネズミはその音声を聞いたばあいでも大人しくし続けました。

若干の純損失(net loss)は、実は利益になることがあるのです。


つらい記憶を重ねる事によって自分をより知ることになりますし、それが大人ならではの経験の積み重ねとなり、より分別のある行動に結びついていきます。つらい記憶は、「処世」という意味で生きるために大切な事でしょう。逆に、若い内は失敗を恐れずに挑戦することで生きる力を身につけて行く必要があります。これは脳科学に触れなくても、自分自身の経験や普段の生活で感覚的に知っていることでしょう。

そこに脳科学的なメスが入ると上の記事のような結果が得られるんですね。つらい記憶を重ねていくと、そこがよりつらい記憶を逃がさないバリアとなる。それが大人ならではの行動のタイプを生むんでしょうかね。


  • pilable しなやかな
  • traumatic トラウマとなる
  • turn out 結局・・・であることが分かる、・・・という状態で終わる
  • erect 直立させる、立てる
  • intact 影響を受けていない
  • sear into ・・・に焼きつく
  • resurface 再び浮上する
  • post-traumatic stress disorder 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
  • resilent 弾力性のある、回復力のある
  • handle 対処
  • amygdaka 扁桃体
  • associated with ~と関係がある ★★
  • flinch しりごみ、たじろぎ
  • dissolve 溶解する、分解する

2009年9月12日土曜日

The Geek Atlasによる地球の歩き方

Tour Our Oblate Spheroid with The Geek Atlas : Scientific American Podcast

The Geek Atlasという本が128の科学技術や歴史愛好家のための観光先を紹介している。

まだ休暇を日焼けの時間に費やしているのですか? でもビーチで下らない小説を読むのは飽きたでしょう? ではThe Geek Atlasを試してはいかがでしょうか。この本はPlanet Holloywoodよりもプラネタリウムに行くのを好む人達のために書かれた本です。「科学技術が生まれた128の場所」。著者のJohm Graham-Cummingによる副題です。

例えば、あなたがパリを訪れたら、the Institut Pasteurとあなたの牛乳パックに書いてある名前の持ち主の生物科学の業績を記念する博物館に立ち寄りましょう。

イギリスは科学的に興味深い場所に満ちています。WatsonとCrickが生命の秘密を発見した場所であると密やかに語っていたCambridgeのEagle Pubなどがそうです。EdinburghにあるJames Clerk Maxwellの家や博物館、そして観光客が操作できる実際のパイロットが使用する物と全く同じであるthe British Airways社のフライトシミュレータ等もあります。

アメリカではCaliforniaのMountain ViewにあるComputer HIstory Museumにてあなたの内なるGeekを発見しましょう。もしくはGaithersburg, Md.にある緯度観測所で今まさにあなたが立っている位置を確認してみては?

そんな神聖で歴史的な場所を誇らしげに歩いてみましょう。なぜなら、ギークからギークへと地球の文明は継承されていくのですから。

 

楽しい記事です。訳の正確さなんて銅でも良くなる感じ。最も、そうでない記事でも訳が正確だったことなんて無かったと思うけれど。

日本語訳はまだみたい。アマゾンで調べたら、日本でも買うことはできそうです。買ってみようかな。

  • oblate 偏球
  • spheroid 回転楕円対
  • mostly 大抵は ★★★
  • out of the way 道を外れて、常識を外れて
  • planet hollywood
  • venue 裁判地、発生地、開催地
  • writeup 記事
  • relevant 関係のある、適切な ★★
  • commemorating 祝う、記念する
  • teeming 鋳型などに金属を注入する、あふれんばかりに群がっている
  • modestly 穏やかに ★★
  • bearing 身のこなし、振る舞い
  • latitude 緯度
  • hallowed 神聖な

消えたハチのリボソームが壊されていた

Disappearing Bees Have Devastated Ribosomes: Scientific American Podcast

Proceedings of the National Academy of Sciences誌に寄稿されたMay Berenbaumらによる研究結果にて、ハチの消失現象が、リボソームの破壊と関連しているかもしれないことが分かった。

ミツバチの大量消失現象(colony collapse disorder : CCD)の背景にあるものが明らかになりつつあります。イリノイ州立大学のMay Berenbaumらのチームがミツバチのリボソームが破壊されている事を発見しました。

「リボソームはハチが農薬や病気、栄養不足に対処するためのタンパク質を作ります。ですから、私たちが様々な現象を説明する事を発見したリボソームの『断片化』は、ハチの大量消失やミツバチ達に起こったその他の事に説明を与えるものでありますし、リボソームの断片化はハチの周囲の全ての事柄から起こるものなのです。そして実際に、一度リボソームが正常に機能しなくなると、どんな些細なことでもハチを全滅させてしまうでしょう」

可能性のある理由は複数のウイルス性の感染症です。「ハチは一見すると一つや二つの感染症には十分対処できます。しかし、複数のウイルスとなると、システムの全体が機能しなくなります」 the Proceedings of the National Academy of Sciences誌に寄稿されたこの研究はCCDの起源や治療方法をピンポイントに突いている分けではありません。しかし、私たちは今や、何が悪かったのかについて知ることとなったのです。

アメリカで多数報告されているミツバチの大量消失現象について、ハチのリボソームの断片化が原因の一つなのではないかという報告でした。アメリカ国内での自然環境への関心の高まりとともに、アメリカでは結構話題になっているハチの大量消失現象ですが、日本ではあまり話題になっていませんね。

蜂の巣ごと消失したハチ達にリボソームのフラグメント化が起こっていたというものです。ソースの論文を読んでないので詳しくわからないのですが、リボソームの断片化によって饑餓や農薬、病気に対処するためのタンパク質が生成されなくなるとのこと。何故、断片化が起こるのか?断片化を防ぐにはどのようにすればいいのか結論は出ていないようで、今後の研究結果が待たれます。養蜂の分野だけでなく、大量飼育を行う分野の大切な知見として注目がされています。

  • devastate :  徹底的に破壊される、壊滅される
  • collapse :  崩落、倒壊
  • disorder :  無秩序、混乱、騒動
  • clue :  手がかり、証拠、きっかけ、糸口、ヒント
  • tear : 裂け目、破れ、裂ける、破れる(過去分詞 torn)
  • respond to : 反応する、答える、病気などに対処する
  • pesticide :  農薬、除草剤、殺菌剤など
  • nutrition :  栄養
  • fragment : 破片、断片、かけら
  • cease : 中止する
  • go under : (句動詞)沈む、沈没する、落ちぶれる
  • cause : 原因、理由、大儀 ★★
  • viral : ウイルスの。ウイルスによって起こる
  • infection : 伝染病 ★
  • apparently : 一見したところ ★
  • pnpoint : ピンの先、正確な、的を得た