2009年9月30日水曜日

シャンパンの泡が味わいのカギになっている

Champagne Bubbles Key to Taste: Scientific American Podcast

Proceedings of the National Academy of Science誌に寄せられた研究で、シャンパンの泡が破裂することによって、良い香りのする物質が提供され、味に加わる事が分かった。

シャンパンで乾杯しましょう。そしてシャンパンに偏在する「泡」にもです。なぜなら新しい研究で、泡が飲んでいる人の舌を物理的に刺激しているだけでは無いことが分かったからです。これらの泡は香りと一緒に噴出し、この香りは飲料物に欠かせない味わいとなっているのです。

フランスの研究者チーム(他にだれがいるでしょう!)は質量スペクトロスコピーをシャンパンがそそがれたグラスの先端に使用しました。チームはある物質の濃度が、液体自身よりもグラスの表面で高くなることを発見しました。かれらはこの発見をProceedings of the National Academy of Sciences誌にて報告しました。

研究者達は、海がシャンパンの秘密を共有していると言っています。もし海の香りを楽しんだことがあるならば、それは界面活性剤と呼ばれる物質が波の泡に引っ張られてきた結果です。泡が破裂したとき、界面活性剤はエアロゾルと呼ばれる小さい分子に分割し、海風の中に止まります。そして海岸周辺に特色のある「潮の香り」を与えるのです。本質的には、シャンパンはこれらのプロセスのより小さいものを引き起こします。しかし、泡はより食欲をそそるエアロゾルをグラスの表面に運びます。

ドン・ペリニョンがシャンパンの栓を開けたとき「私は星を味わっている!」という言葉を残したという伝説があります。しかし、これは物理や科学の問題で、天文学ではありません。しかしながら彼は本当にシャンパンを楽しんでいたと言うことになりますね。

==

シャンパンの独特の香りが、炭酸の泡によってもたらされ、それがシャンパンの味わいに決定的な影響を与えているという研究でした。

  • bursting bubbles 気泡の破裂
  • compound 化合物、合成物
  • raise 起こす、立てる、上昇させる
  • toast パンを焼く、乾杯する
  • ubiquitous 偏在する
  • tickle ムズムズする、喜ばせる
  • erupt 噴出する
  • vital 主要な、生命維持に必要な、極めて重大な
  • aroma 良い香り、芳香
  • beverage  飲料
  • nose 鼻、嗅覚、機種、先端
  • concentration 集中、濃度
  • surfactant 界面活性剤
  • suspend ぶら下がる、一時停止する、~をけん濁する
  • coastal 海岸の
  • distinctive 特色のある ★★
  • in essence 本質において
  • host 主役、主催する
  • savor 満喫する

2009年9月15日火曜日

心を解き放てば忘れる

若い脳はつらい記憶を忘れることができる。しかし年老いた脳はそうでない傾向がある。Science誌に寄せられたある動物実験の結果で、年老いた脳を若い状態にもどしより柔軟にできるかもしれないことが分かった。

思い出す事が難しい出来事があります。しかし、あるものは忘れる事が難しい・・・特に衝撃的な出来事は。しかし、私たちは子どもは大人よりも、つらい出来事を忘れるのが得意であることを知っています。現在、科学者達は何故人々がそれを知っているのか考えています。動物実験の結果によると、大人の脳はつらい記憶を止める物理的なバリアを持っています。

大人にとって、感情を邪魔する出来事は脳に焼きついてしまう傾向があります。そしてその記憶は再浮上し不快感、恐怖を引き起こし、心的外傷後ストレス障害を引き起こしさえします。しかし、若い脳はより回復力があります。そして、不快な記憶を消し去りさえします。

若いときの忘却のような、より良い取り扱いを得るために、科学者達は若いネズミと年老いたネズミの脳を研究しました。彼らは年老いた脳では扁桃体の特定の細胞を囲む細胞間のつながりを発見しまいした。扁桃体は感情的な記憶に関係のある部位です。特定の音声に対して足に軽い刺激を与えた大人のネズミは、その音が聞こえるだけでたじろいだ反応を見せました。しかしある薬品でそのバリアを溶解させる、取り除くと年老いたネズミは恐怖の記憶を消す能力を取り戻しました。結果、そのネズミはその音声を聞いたばあいでも大人しくし続けました。

若干の純損失(net loss)は、実は利益になることがあるのです。


つらい記憶を重ねる事によって自分をより知ることになりますし、それが大人ならではの経験の積み重ねとなり、より分別のある行動に結びついていきます。つらい記憶は、「処世」という意味で生きるために大切な事でしょう。逆に、若い内は失敗を恐れずに挑戦することで生きる力を身につけて行く必要があります。これは脳科学に触れなくても、自分自身の経験や普段の生活で感覚的に知っていることでしょう。

そこに脳科学的なメスが入ると上の記事のような結果が得られるんですね。つらい記憶を重ねていくと、そこがよりつらい記憶を逃がさないバリアとなる。それが大人ならではの行動のタイプを生むんでしょうかね。


  • pilable しなやかな
  • traumatic トラウマとなる
  • turn out 結局・・・であることが分かる、・・・という状態で終わる
  • erect 直立させる、立てる
  • intact 影響を受けていない
  • sear into ・・・に焼きつく
  • resurface 再び浮上する
  • post-traumatic stress disorder 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
  • resilent 弾力性のある、回復力のある
  • handle 対処
  • amygdaka 扁桃体
  • associated with ~と関係がある ★★
  • flinch しりごみ、たじろぎ
  • dissolve 溶解する、分解する

2009年9月12日土曜日

The Geek Atlasによる地球の歩き方

Tour Our Oblate Spheroid with The Geek Atlas : Scientific American Podcast

The Geek Atlasという本が128の科学技術や歴史愛好家のための観光先を紹介している。

まだ休暇を日焼けの時間に費やしているのですか? でもビーチで下らない小説を読むのは飽きたでしょう? ではThe Geek Atlasを試してはいかがでしょうか。この本はPlanet Holloywoodよりもプラネタリウムに行くのを好む人達のために書かれた本です。「科学技術が生まれた128の場所」。著者のJohm Graham-Cummingによる副題です。

例えば、あなたがパリを訪れたら、the Institut Pasteurとあなたの牛乳パックに書いてある名前の持ち主の生物科学の業績を記念する博物館に立ち寄りましょう。

イギリスは科学的に興味深い場所に満ちています。WatsonとCrickが生命の秘密を発見した場所であると密やかに語っていたCambridgeのEagle Pubなどがそうです。EdinburghにあるJames Clerk Maxwellの家や博物館、そして観光客が操作できる実際のパイロットが使用する物と全く同じであるthe British Airways社のフライトシミュレータ等もあります。

アメリカではCaliforniaのMountain ViewにあるComputer HIstory Museumにてあなたの内なるGeekを発見しましょう。もしくはGaithersburg, Md.にある緯度観測所で今まさにあなたが立っている位置を確認してみては?

そんな神聖で歴史的な場所を誇らしげに歩いてみましょう。なぜなら、ギークからギークへと地球の文明は継承されていくのですから。

 

楽しい記事です。訳の正確さなんて銅でも良くなる感じ。最も、そうでない記事でも訳が正確だったことなんて無かったと思うけれど。

日本語訳はまだみたい。アマゾンで調べたら、日本でも買うことはできそうです。買ってみようかな。

  • oblate 偏球
  • spheroid 回転楕円対
  • mostly 大抵は ★★★
  • out of the way 道を外れて、常識を外れて
  • planet hollywood
  • venue 裁判地、発生地、開催地
  • writeup 記事
  • relevant 関係のある、適切な ★★
  • commemorating 祝う、記念する
  • teeming 鋳型などに金属を注入する、あふれんばかりに群がっている
  • modestly 穏やかに ★★
  • bearing 身のこなし、振る舞い
  • latitude 緯度
  • hallowed 神聖な

消えたハチのリボソームが壊されていた

Disappearing Bees Have Devastated Ribosomes: Scientific American Podcast

Proceedings of the National Academy of Sciences誌に寄稿されたMay Berenbaumらによる研究結果にて、ハチの消失現象が、リボソームの破壊と関連しているかもしれないことが分かった。

ミツバチの大量消失現象(colony collapse disorder : CCD)の背景にあるものが明らかになりつつあります。イリノイ州立大学のMay Berenbaumらのチームがミツバチのリボソームが破壊されている事を発見しました。

「リボソームはハチが農薬や病気、栄養不足に対処するためのタンパク質を作ります。ですから、私たちが様々な現象を説明する事を発見したリボソームの『断片化』は、ハチの大量消失やミツバチ達に起こったその他の事に説明を与えるものでありますし、リボソームの断片化はハチの周囲の全ての事柄から起こるものなのです。そして実際に、一度リボソームが正常に機能しなくなると、どんな些細なことでもハチを全滅させてしまうでしょう」

可能性のある理由は複数のウイルス性の感染症です。「ハチは一見すると一つや二つの感染症には十分対処できます。しかし、複数のウイルスとなると、システムの全体が機能しなくなります」 the Proceedings of the National Academy of Sciences誌に寄稿されたこの研究はCCDの起源や治療方法をピンポイントに突いている分けではありません。しかし、私たちは今や、何が悪かったのかについて知ることとなったのです。

アメリカで多数報告されているミツバチの大量消失現象について、ハチのリボソームの断片化が原因の一つなのではないかという報告でした。アメリカ国内での自然環境への関心の高まりとともに、アメリカでは結構話題になっているハチの大量消失現象ですが、日本ではあまり話題になっていませんね。

蜂の巣ごと消失したハチ達にリボソームのフラグメント化が起こっていたというものです。ソースの論文を読んでないので詳しくわからないのですが、リボソームの断片化によって饑餓や農薬、病気に対処するためのタンパク質が生成されなくなるとのこと。何故、断片化が起こるのか?断片化を防ぐにはどのようにすればいいのか結論は出ていないようで、今後の研究結果が待たれます。養蜂の分野だけでなく、大量飼育を行う分野の大切な知見として注目がされています。

  • devastate :  徹底的に破壊される、壊滅される
  • collapse :  崩落、倒壊
  • disorder :  無秩序、混乱、騒動
  • clue :  手がかり、証拠、きっかけ、糸口、ヒント
  • tear : 裂け目、破れ、裂ける、破れる(過去分詞 torn)
  • respond to : 反応する、答える、病気などに対処する
  • pesticide :  農薬、除草剤、殺菌剤など
  • nutrition :  栄養
  • fragment : 破片、断片、かけら
  • cease : 中止する
  • go under : (句動詞)沈む、沈没する、落ちぶれる
  • cause : 原因、理由、大儀 ★★
  • viral : ウイルスの。ウイルスによって起こる
  • infection : 伝染病 ★
  • apparently : 一見したところ ★
  • pnpoint : ピンの先、正確な、的を得た

2009年8月30日日曜日

虫垂は臓器の名残ではない

That's No Vestigial Organ, That's My Appendix: Scientific American Podcast

Journal of Evolutionary Biology誌にて発表された研究で、これまで考えられていたよりもずっと多くの動物が虫垂を持っており、虫垂が「盲腸」とよばれるような単なる臓器の残物では無いことが分かった。これらの結果を総合すると虫垂が役に立たない臓器ではないかもしれない事を意味している。

二年前、Duke University Medical Centerの研究者が、一般には役に立たないと知られている虫垂が実は、腸内の善玉菌が腸内の好ましくない状況から身を隠すの場所であると発言していました。

現在、その研究チームは進化の歴史の中に虫垂の存在を確認しています。彼らは動物は8000万年に渡り虫垂をを持っていた事を発見しました。そして虫垂は最低でも二回、別々な進化を遂げています。一つ目はオーストラリアの有袋類が運命的に、二つ目は私たちの祖先である古代のほ乳類種です。

ダーウィンはごくわずかの動物が虫垂を持ち、人間の場合は盲腸と呼ばれる臓器の名残であると考えていました。しかし新しい研究で70%の齧歯類、霊長類が虫垂を持つ種を抱えていることが分かりました。そして現存する幾つかの種が盲腸と虫垂を持ちます。もしダーウィンが両方の臓器を持つ種について知っていたら、彼は恐らく虫垂に関する考えを改めたでしょう、と研究者達は言及しています。

皮肉なことに、自然選択は人間の虫垂を消し去らず残しました。虫垂は感染症により感染しやすいため、我々の遺伝子をプールから遠ざけているのです。


虫垂が草食動物にとって善玉菌の貯蔵庫として、消化吸収に重要な役割を果たしているという事は以前どこかで聞いた事があります。人間の虫垂は盲腸が進化の過程で小さくなっているもので、役に立たない臓器であると考えられていましたが、実際の所は盲腸、虫垂両方持つ動物が霊長類意外にもいて、人間の虫垂も草食動物のそれと起源は同じで、担っている役割も同じである可能性が高いという記事でした。

普段盲腸の役割を意識することは無くても、「盲腸炎」の発祥箇所として意外となじみ深い臓器であるという印象があります。実際は役に立ってない臓器だとしても、進化の過程でどのような役割を担い、やがて重要な役割を担う事が無くなったのかと言うことに関しては、分かってないことが多かったんですね。

ちょっと前までは盲腸炎になると、盲腸ごと切除して治療することが多かったと認識していますが、この発見が盲腸の役割を見直して、治療の方針に変化をもたらすのでしょうか。治療に時間がかかっても切除しない方向にいくのでしょうか。原論文をみていないので何とも言えないのですが、興味があります。


  • vestigial : 痕跡の
  • appendix : 付録、別表、(生物)虫垂、盲腸
  • remmant : 残物、名残
  • digestive : 消化を助ける、消化の
  • cecum : 盲腸
  • supposedly :
  • gut : 腸、内臓
  • hide out : 潜伏している ★
  • intestinal : 腸の
  • evolove : 進化する、発展する,進化、発展させる ★★
  • separately : 別々に分かれて ★
  • weird : 運命、定め ★
  • marsupial : 有袋類、有袋類に属する
  • mammal : ほ乳類 ★
  • lineage : 血筋、系統
  • rodent : 齧歯類
  • primate : 霊長類、大司教
  • species : 生物種
  • revise : 訂正する、改訂する ★★
  • ironically : 皮肉なことに
  • infect : 病気を移す、感染させる ★

2009年8月28日金曜日

稲が洪水に自ら対処する

Rice Really Rises to the Occasion : Scientific American Podcast

Nature誌に寄せられた研究によると、流水に耐えることのできる稲の品種の中に成長の早い遺伝子が発見された。「シュノーケル」遺伝子を加える事による形質の改良によって、収量の改善を図ることができた。

あなたは農家が肘まで水に浸けて田植えをしている写真を見たことがあることでしょう。米は水気を好む作物であるようです。しかし深く水に浸かりすぎるとこの植物は溺れてしまいます。水に沈んだ稲を救出するために、日本の科学者達は、水浸しになった稲の頭を水面に出すための二つの遺伝子を発見しました。

今日、収量の多い米の殆どは完全に水に浸る事に耐える事は出来ません。しかしある種の米は相当の洪水でも問題がありません。水面が上昇するに従い、茎が一日に10インチも急成長するのです。しかしこの急成長遺伝子をもった稲の収量は、収量の多い稲に比べて五分の一です。

この二つの品種のいいとこ取りをするために、科学者達は幾つかの「潜水可能な稲」を研究し、水没に耐えられrない稲が持たない二つの遺伝子を発見しました。この遺伝子は「シュノーケル1」、「シュノーケル2」の異名を取ります。この遺伝子は茎の急成長の引き金となるスイッチを入れます。この研究は8月20発行のNature誌の記事にて発表されました。

遺伝子工学によりシュノーケル遺伝子を水没に耐えられない稲に導入することは、まさに本物のライフセーバーであることが分かります。単に植物に対してだけでなく、食料として米に頼る人々にとっても・・・ですが。


水没時に10インチも急成長する遺伝子なんてものがあるんですね。面白い。


  • rise to the occasion : 突発的な危機に対処する
  • varieties : 品種
  • withstand : 抵抗する、耐える
  • water line : 水道
  • strain :  引っ張る、ピンとはる
  • snorkel : シュノーケル
  • yield : 作物が出来る、報酬がある、譲歩する、産出する
  • wading : 丸める、詰め物をする
  • waterlogged : 水浸しの
  • rice paddy : 水田
  • crop : 農作物、収穫高
  • inundate : 殺到する、充満させる、水浸しにさせる
  • cope with : 困難に立ち向かう
  • be submerged : 水に浸かる
  • shoot up : 急に成長する
  • submersible rice : 潜水する稲
  • be dubbed : 異名を取る
  • toss : 揺れる
  • prove : ~であると分かる

2009年8月27日木曜日

進めば「廻る」

Round and Round We Go: Scientific American Podcast

Journal of Current BIologyに寄せられた研究で、目標の無い環境で人間の進路が円を描くことの検証実験を行った。

これはあなたにも起こる事かもしれません。あなたが森の中を散歩して、数時間の散歩の後車に戻るならば、あなたは自分が基本的に円を描くように歩いていることに気がつきます。あなただけではありません。科学者達は視覚的に認識できる目標や太陽からの手がかりが無い場合、迷子となった人間はまっすぐあることが出来ない事を発見しました。

「円状に歩く方向感覚を失った放浪者」は、沢山のフィクションで扱われています。科学者達はこの逸話をテストしました。彼らは6人の被験者をドイツの森に残してまっすぐ歩くように指示しました。そして被験者の移動過程をGPSで追跡しました。

曇りの場合、被験者は確かに円状に動きました。しかし、意識的に一定の方向に曲がるる場合はそうではありません。変わりにランダムに方向転換を指示し繰り返しかれらの来た道を交差させました。しかし被験者が太陽を見ることが出来る場合、被験者は直進を維持出来ました。被験者をサハラ砂漠に下ろした場合、昼夜の両方の場合も結果は同じとなりました。この結果はCurrent Biology誌に発表されました。

もし正確にまっすぐに歩きたい時、特に日没後は、自分の勘によるガイドを頼ってはいけません。コンパスを持ちましょう。


砂漠の中でも人間はまっすぐ歩けるんですね。でも、太陽が動くくらいの長い時間だとどうなんでしょう。結局方向感覚は失ってしまうのでしょうか。夜空の星をランダムな配列としか認識できないならやっぱりぐるぐる同じ所を廻ってしまうんでしょうかね。


  • proposition : 提案、主張、事項
  • verify :  検証、立証
  • featureless : 特色のない
  • wind up : 糸、ねじなどを巻き上げる
  • wander : 歩き回る、徘徊する
  • cue : 手がかり
  • disorient : 方向感覚を失わせる、まごつかせる、混乱させる
  • faithfully : 忠実に、きちんと
  • trot : 早足、小走り
  • put A to the test : Aに試練を課す、Aをテストする
  • plop : ドブンと落ちる
  • wanderer : 放浪者
  • indeed :  確かに ★★
  • veer : 方向転換、進路変更、曲がる
  • after dark :  日没後 ★
  • count on : 頼りにする ★★
  • conscience : 意識、自覚、判断力

8月20日は「世界蚊記念日」

Bite Back on World Mosquito Day: Scientific American Podcast

8月20日は「世界蚊記念日」である。これは蚊によって媒介されるマラリアやその他の伝染病の脅威を人々に思い出してもらうための日である。

10年ほど前、私は研究者達に付き従い、Evergladesの水に腰あたりの深さまで浸かった事があります。しかも真夜中に。私は注意深く周囲に目をこらし、ワニや、ヘビなどの毒を持った生物に備えていました。しかし、最も危険を引き起こす生物は「蚊」だったのです。この季節ハエは脳炎を媒介します。

私は8月20日が「世界蚊記念日」なのでこのエピソードを紹介しています。実際のところ、この日は記念日でも何でもなく、どちらかというと、「警鐘の日」なのです。Liverpool School of Tropical MedicineのRonald Rossがこの記念日の起源です。1897年、彼は蚊がマラリアを運んでいることを世界で初めて発見しました。彼は1902年、第一回目のノーベル賞受賞者の一人となりました。

しかし、蚊と蚊が媒介する病気は現在でも大きな問題となっています。マラリアだけでも1年に100万人以上の死者を出します。そしてその殆どは子どもです。蚊が繁殖するのに好む淀んだ水を周囲に置かない事で、誰でも病気を予防できます。更に詳しい情報に関してはAmerican Mosquito Control Association(www.mosquito.com)をご覧下さい。


世界蚊記念日なんてものがあるんですね(訳は私が勝手につけたものですが)。

都市圏(日本は居住地の殆どでしょうが)に住んでいると蚊はうっとうしい存在ではあるものの、そんなに危険な存在であるという認識は無いですよね。ですが、世界に目を向けると未だに公衆衛生上の重大問題なんですね。恐らく都市部やその周辺に住んでいても、その脅威は無視してはいけないんでしょうね。


  • threat : 脅威
  • transmit : 送信する、病気などを移す、伝染させる
  • waist deep into… :
  • vigilant : 用心深い
  • venomous : 有毒な、悪意のある
  • pose : 気取る、見せかける、問題を引き起こす
  • encephalitis : 脳炎
  • awareness : 認識、自覚
  • figure out : 答えを出す、分かる、解明する、見当が付く ★★
  • breed : 繁殖する

携帯電話の通話記録で交友関係が明らかに

Phone Networks Reveal Relationships: Scientific American Podcast

Proceedings of the National Academy of Sciences誌に寄せられた研究結果によると、研究者達は携帯電話の使用履歴から交友関係を非常に高い精度で導き出せる事を発見した。

ある人が自分の友人か否かをどのようにして知れば良いでしょうか-携帯電話に聞いてみましょう。なぜなら、あなたの携帯電話は誰かあなたの友人であるか知っているからです。

科学者達は昔からあることに悩まされてきました。それは被験者達が常に信頼のおける報告をするとは限らない事です。自分たちの交友に関して嘘はつかないかも知れませんが、先月にTomやCodey、Dickに何回電話をかけたかに付いて思い出す事にかけては常に正確とは言い難いのです、

そこで科学者達は、交友関係を追跡するより良い方法を模索してきました。そこでどの携帯電話が別の携帯電話の着信元かということが出てきます。研究者達は百人近い被験者に、通話、テキストメッセージ、発信者が物理的にどれたけ近い位置にいるかさえ記録できる最新の携帯電話を渡しました。発信のパターンを解析することで、だれが友人なのか95%の正確さで割り出す事ができるようになりました。幾つかのケースでは、発信のパターンから数ヶ月前から作られつつある友人関係すら明らかになりました。

このデータは職業に対する満足度も予想することが出来るかも知れません。一日中電話で友人と話をする人達は、自分の職業に対して熱意を感じていないかもしれないからです。どもかく、友人とはより親密に、そして携帯電話はそれよりももっと身近におきましょう。


訳文がものすごくグダグダ。

確かに携帯電話の通話記録から交友関係はある程度分かる気がします。でもそれは、あくまでも人間の感覚に頼った上で・・・ですが。それをマジメに研究して、自動的に予測しようとしまうところにアツいものを感じます。

交友関係を調べるなら、通話記録だけではなく、多数の通話記録同志のつながりみたいな物が必要な気がしますが、この研究ではどうだったのでしょうか、百台程度の携帯電話では通話記録がつくる「ネットワーク」は見えないような気がします。

でもそれを本当に調べだしたら「自分だけが一方的に友人関係と思っている人物」までもが明らかになったりして。それはちょっと恐ろしい。


  • deduce :  導き出す、推論する
  • hamper : 障害となる、妨げとなる
  • reliable : 信頼のある、信頼性の高い、頼りになる ★
  • souped-up : パワーアップした、興奮した、高性能な
  • infer :  推論する、ほのめかす
  • stoke : わくわくする

紙幣はコカインに汚染されている

Paper Money Tainted with Cocaine: Scientific American Podcast

American Chemical Societyの会合にて公開された研究で、流通している紙幣の多くが微量のコカインを含むことが分かった

あなたはおそらく、ポケットの中にコカインを持っていることでしょう、でも、あなたは逮捕されたりはしません。なぜなら、あなたが持つ紙幣はコカインを含んでしまう機会が非常に多くあるからです。8/16日に開かれたAmerican Chemical Societyの国際会議にて発表された研究結果によると90%にも達するアメリカの紙幣がコカインに汚染されていることがわかりました。ワシントンDCでは95%もの高さに及びます。

いくつかの紙幣では1200マイクログラムに達する量を含んでいました。これは砂粒で50粒程度の量に達します。しかし殆どの紙幣ではこれよりずっと少ない量です。この発見は全ての紙幣が直接的にコカインに触れた事を示している分けではありません、しかしながら、その中の幾らかは間違いなく、コカインの吸引に使われたり、薬物の売買中にコカインを取り上げたりするのに使われたでしょう。そして紙幣の殆どは恐らく銀行の中で、他の紙幣からコカインが転写されたと考えられます。

同様の研究が二年前に実施され、そのときは三分の二の紙幣がコカインの転写を受けていました。研究者達はなぜ、二年前の研究結果と大きな乖離があるのかいまだ理由を掴んでいません。しかしこの新しい研究結果はコカインが未だ社会問題の一つであり続けていることを示しています。そしてこの紙幣が、どの都市が最もコカインの使用者が多いかを明らかにするかもしれません。なぜならどんな優秀な事件報告者も、お金に付き従うからです。


アメリカの紙幣の90%にコカインの転写が認められるという研究結果でした。

確か、日本の紙幣でも10%以上のものにコカインや何らかの薬物の転写が認められると聞いた事があります。

薬物の吸入に紙幣を丸めたものが使われたりすればこの結果は当然なのかもしれません。だとしてもある程度具体的な数値を以て、こういう状況が白日の下にさらされると、やっぱりショッキングです。薬物は身近にあることを実感しなければいけないのかもしれません。


  • present : 紹介する、公開する ★★
  • trace amount of… : 微量の・・・
  • under arrest : 逮捕される
  • despite : (前置詞)・・・に関わらず ★★
  • up to… : ・・・に達する ★★
  • contaminate : 汚染する、
  • doubtless : 疑いなく
  • pick up : 持ち上げる、引き上げる
  • trace : (名詞) トレース、転写
  • transfer : 移動する、乗り換える、運ぶ
  • conduct : 導く、実施する、指揮する
  • clue : 手がかり、ヒント、道しるべ

2009年8月26日水曜日

“熱い岩石”は技術革新だった

Hot Rocks Were Technology Revolution: Scientific American Podcast

Science誌の記事の研究によって、初期の人類が70000年前に岩石を火で処理していたことが示唆された。

初期の人類は石器を作るのに岩石を剥がしていただけではありませんでした。8/14日に出版されたScience誌の記事によると、彼らは火を使い石を処理しより洗練された石器を作っていたのです。

約72,000年前、アフリカ沿岸にいた私たちの祖先は、セメント状の土であるシルクリートから石器を作ってたのです。遺跡発掘現場から、光沢があり、極めの細かい、赤みを帯びたシルクリートが発掘されました。これはその土地に元からあった岩石が表出したものではありません。Cape Town Universityから来た研究者達は、数年前までより研究に値するに十分な大きさの破片を発掘できていませんでした。そのときArizona State Universityの同僚が、これらのシルクリートの破片が米国南西部の加熱処理された石器を連想させる事に注目しました。

研究者達は炉を準備しシルクリートのサンプルを高温下に晒しました。次の日、シルクリートは初期の人類が使用した石器と良く似た外見をしていました。シルクリートは簡単に剥離するようになっており、より複雑な道具をつくる基本的な材料となります。現在まで、火で処理した石器が使用されたのは25,000年前のヨーロッパであると考えられていました。この発見によって、火で処理した石器の起源は数万年前のアフリカまでさかのぼることになります。そして南アフリカの海岸こそが「プロメテウスの火」がもたらされた場所なのかもしれません。


南アフリカで最古の熱処理された石器が発見された・・・かもしれないという記事です。具体的には発掘現場から出土したシルクリートの破片が、シルクリートを実際に焼いたものと酷似しており、また、加工がしやすく、より複雑な道具を作る際の材料として使われて板かもしれないという事になります。実際に発見されたのは石器の破片かも知れないものということで、本当に石器だったのかは要調査でしょうか。


  • chip away : 少しづつ削り続ける、はがれる、削れる
  • treat :  取り扱う
  • fashion : ある特定の時代での行動様式、服装など
  • coastral : 沿岸の、海岸の
  • silcrete : シルクリート(珪質の岩石)
  • soil : 土、地殻の表層土
  • archeological : 考古学的な(archeological site : 遺跡発掘現場)
  • reddish : 赤みを帯びた
  • outcropping : 岩礁、岩石が地表に露出したもの
  • remark : 感想を述べる
  • fire pit : 炉
  • bury :  埋める、埋葬する
  • flake : はがれ落ちる

2009年8月22日土曜日

レジ袋の禁止は上手く行くのか?

Does Banning Plastic Bags Work?: Scientific American Podcast

一年前から中国でのレジ袋の使用は減少している。しかし、完全に無くなったわけではない。

レジ袋は究極の使い捨て商品です。食料品を運ぶのにたった一度使われそのあとは大抵、目障りで永続的な公害の源として第二の人生を送ります。それ故、国家や政府の代表者達はレジ袋の禁止や消費者に課金を強制するような措置を取ってきました。そのような国の中で圧倒的に大きいものが中国です。

規制は昨年の6月のオリンピックから始まっていますが、その実績に関しては混迷しています。Bai si wu ran-「白い公害」は一見減少しているように見えます。しかし「禁止」することより綺麗に片付ける事をしなければならないかもしれません。

中国政府が全面的な使用禁止を通達したとしても、レジ袋は特に地方を中心にやはり使用されています。違法にレジ袋を作る小さな工場を造るのは簡単で、取り締まるのは大変難しいです。各地方の小さな業者達は、規制はもはや実効的には働いていないと考えており、それは北京のような大都市にまで及んでいます。

International Food Packagin Associationの調査でレジ袋がゴミとして出された量は昨年と比較して10%減少しており、中国政府はスーパーマーケットだけでもレジ袋は60%も削減されたと説明しているにも関わらず、約400億個もの小さなレジ袋が木々や川岸などの至る所に落ちている事が分かりました。中国政府の究極的な目標はレジ袋がきちんとリサイクルされるように使われる事です。

レジ袋は直ぐには無くならないでしょうが、次第に目立たない存在にはなりつつあるようです。


Sixty-Second Earthの記事。

レジ袋問題は大変根深いというか、複雑というか、色々考えさせられる問題です。

究極的にまで効率的に生産されるレジ袋がエコバッグと呼ばれるものと比べて本当に環境に優しいのか、難しい所です。エコでビジネをしている所からいいようにカモられてる様な気もします、ある程度丈夫に作ったレジ袋を大事に使えば良いんじゃないかと思いますが、そうするとレジ袋を作っている人達の事業がペイしないかも知れないわけで・・・。だれか頭の良い人達に真剣に考えてもらい、どうすれば最善なのかわかりやすく説明してもらいたいところです。

それはさておき、記事の内容は、中国でのレジ袋の規制が上手く行っておらず、地方から都市部まで、違法にレジ袋が流出しており、正式にゴミとしてだせないものだから不法投棄され、結局公害の元となっているという物でした。

罰則のみに基づく規制が如何に難しいか物語っています。


  • by no means : 決して~でない ★
  • throwaway : 使い捨て用品
  • tote : 荷物を運ぶ
  • groceries : 食料・雑貨類
  • second lives : 第二の人生
  • eyesore : 目障り、見にくい
  • by far : 当然、圧倒的に ★
  • go into effect : 変化、効果がある
  • track record : 実績
  • tidy up : 綺麗に片付ける
  • admit  : 許す、余地がある、認める ★★
  • be banned outright : 全面的に禁止する
  • remote area : 辺鄙な地域、地方
  • churn out : 大量生産する(churn : 攪拌する、激しく動かす)
  • contraband : 密輸品、禁制品
  • police : (他動)治安を維持する、取り締まる
  • hand one out : 配る、分配する
  • make one’s way into… :

表情による表現の違い~東洋と西洋は合わない(会わない)

Facial Expressions: East Doesn't Meet West: Scientific American Podcast

Current Biology誌に寄せられた研究結果にて感情に関する顔の表情による表現に東西差があり、その差は非言語コミュニケーションにおける齟齬を生じさせるかもしれない事が分かった。

西洋人がアジアを旅行するときは、ある程度の言語的障壁があることを予期するでしょう。しかしながら、多分表情による表現が相互理解を助けてくれるはず・・・いえ、現実はそう甘くなかったのです。8/13にCurrent Biologyに寄稿された研究結果によると、西洋と東洋では表情によって同じ言語を語っていないかもしれません。

Glasgow Universityの研究者はそれそれ13人のコーカソイド系西洋人と東アジア人を研究に参加させ、全員に西洋でFacial Action Coding System(表情記号体系)と呼ばれている体系に基づいて分類されている様々な表情の写真を見せ、感情の吟味をさせました。

それぞれの表情は幸福、不幸、驚き、恐怖、嫌悪、怒り、中立といった意図を持っており、参加者はこれらの写真を同様の分類に基づいて再分類しました。その結果、東洋人は西洋の標準的な分類とは同じ分類をしないことが分かりました。

被験者の視線の動きを追跡したところ、研究者達は西洋人は顔の全体を見るのに対して、東洋人は主に目の周辺に焦点を合わせ続けていると結論づけています。つまり、西洋人は高揚の感情を表すのに顔の全体を使うのに対して、東洋人は目の周囲を使うのです。これは表情による感情表現が世界共通では無いことを示しています。これは世界中を旅する人は遅かれ速かれいずれ困惑の表情をするに違いない事を示していますね。


表情による表現に地域差があるかもしれないという研究結果でした。

研究の内容は西洋人の典型的な表情の解釈に地域差があることを示しています。視線追跡からどこに注視するかも調べたみたいですけど、その地域差は何から生まれるんでしょうかね。世代を経て身につくものなんでしょうかね。声によるコミュニケーションと違って、自分の表情は自分で見えないわけですから、そういう行為が世代を経て受け継がれているメカニズムが存在するというのは興味深い事です。ちょっと前に話題になった脳のミラーニューロンの作用に似ていますね。


  • facial expression : 表情による表現
  • enthusiastic : 熱狂的な、乗り気な、やる気のある
  • not so fast : そう上手く行きません、考えが甘いよ
  • enlist : 入隊する、協力を求める
  • western caucasians : (西洋の)コーカソイド人種
  • examine : よく見る、調査する(★★)
  • expressive : 表現、表情に富む
  • purport : 趣旨、意味、意図、目的
  • disgust : 嫌悪、反感
  • turn out… : 結局・・・であることが分かる、・・・の結果となる
  • elate : 息を挙げる、元気づける

セシウム原子時計がイッテルビウムの挑戦を受ける

Cesium Clock Faces Ytterbium Challenge: Scientific American Podcast

Natilnal Institute of Standard and Technology(NIST)の研究者達がイッテルビウムに基づく原子時計を研究している。イッテルビウムによる原子時計は、現在標準のセシウム原子時計より優れている。

酸素や炭素、ウラン等の元素について何か考えたことがあっても、恐らく元素記号Ybのイッテルビウムという元素に関しては恐らくそうではないでしょう。National Institute of Standard and Technology(もしくはNIST)による新しい研究で、イッテルビウムが極めて正確な原子時計として振る舞う可能性が見いだされました。この研究報告はPhysical Review Letters誌に寄せられています。

元素記号Csのセシウム原子時計は、言うなれば金本位制の金に相当します。市民標準時間はNIST-F1基金のセシウム原子時計によって決定されています。セシウム原子時計は非常に正確で一億年に一秒しかずれません。そして一秒の国際的な定義はセシウム原子の電子のエネルギー準位が変化するときに、(一秒間で)何回振動が起こるかで厳密に決められています。その振動数はいくつでしょうか?寸分の狂いもなく9192631770回です。

とにかく、あなた持つ時計はあなたが仕事に取りかかろうと思ったそのときについては十分正確と言って良いでしょう。しかし、GPSを機能上手く機能させようと思ったときには地球と衛星に原子時計が必要なのです。そしてイッテルビウム原子時計はセシウム原子時計に比べてより正確で安定した原子時計となる可能性を秘めているのです。

おっと、時間だ、もう行かなきゃ。


イッテルビウムを使用してセシウム原子時計より正確な原子時計が作れるかも知れないというお話です。

原子時計とは、言ってみれば、非常に正確で安定な特定の周波数の電磁波を原子から取り出す仕組みです。取り出した安定な振動源から、非常に正確な時計を作る分けです。セシウム原子時計ではマイクロ波で原子中の電子を励起し、それが緩和される過程で輻射されるマイクロ波を分離抽出し時計の振動源として使用します。マイクロ波の振動数はセシウムの原子構造で決まるため、歯車や水晶振動子では不可避な「製造ばらつき」が全くありません。故に原子は非常に信頼性の高い振動源となり得るのです。原子時計レベル出言うところのacuuracyは取り出せる振動の周波数と周波数の安定性により決まります。振動数が高ければ高いほどより短い間隔で時を刻むことができ、振動が安定であればあるほど、時刻がずれないわけです。

イッテルビウム原子時計の動作原理については詳しくかいていませんが、おそらく高い周波数の振動を安定して取り出すことに成功しつつあるのでしょう。もうすこし詳しく知りたい。

追記

イッテルビウムの原子時計は「光格子時計」と呼ばれる新しい原理に基づいた原子時計で、セシウムよりも3桁以上振動数を高くすることができるらしいです。振動周波数のゆらぎによる時刻ずれの小ささはまだセシウム原子時計には及ばないらしいですか、今後同程度からさらに小さいレベルまで押さえられる可能性があるとのこと。


  • element : 成分、元素など
  • outclass : ~に勝る、決定的な差をつける
  • gold standard : 金本位
  • if you will : 言うなれば
  • official civilian time : 市民標準時間
  • accurate to within… : ・・・に迫るほど正確(to within… : ・・・の所まで)
  • get to work

37min

2009年8月18日火曜日

菌類で葛を除草

Fungus Could Be Kudzu Killer: Scientific American Podcast

米国農務省のAgricultural Research Serviceの科学者が、蔓草や葛を駆除するために菌類を使用する試験を行っています

「南部を食い尽くす蔓草」と呼ばれている「葛」は、成長がとても早く、森の中の丸太小屋なら数日程度で完全に覆われてしまうほどです。この侵入植物は毎年150,000エーカーもの土地を覆っています。除草には年間600万ドルの費用がかかっています。

しかしアメリカ農務省の植物病理学者が葛に急速に広がる菌類を用いた有望な対処方法を見つけました。この菌類はMyothecium verrucariaといいます。初期の試験では菌類は旧来の植物の90%を覆っていた葛の全てを駆除しました。最も重要なことはMyotheciumが葛の周囲に群生する、松、杉、樫、ピカンやヒッコリー、ブラックベリー、もちろんササフラ等の植物やその種子に殆どダメージを与えないことです。

では問題となるものは? この菌類はトリコテセンと呼ばれる化学物質を出す事です。トリコテセンは動植物にダメージを与えます。しかし研究者達は培養槽や流動食で育てた菌類でトキシン類の発生を急激に押さえる事が出来ることを発見しました。もしこれらの菌類を安全に散布することができるようになれば、葛をお払い箱に出来ることでしょう。


heave-hoは「よいしょっと」というようなかけ声の意味もあるので、ツタを「よいしょっと」引きはがすように、葛をお払い箱に出来る・・・という意味になるんだと思います。ダジャレですね。

それにしても、葛がそんな急激に広がっているとは思いもしませんでした。それに対して菌類の散布で対処しようなんて、流石やることが豪快というか、大味というか・・・・実施に当たっては本当に慎重な検証を行う事になるんでしょうけど、やっぱり人や土地、他の生物に対する副作用、弊害が気になってしまいます。


  • fungus : カビ、菌類(複数形 funguses) 
  • kudzu : 葛
  • cabin : 丸太小屋
  • take over… :・・・を支配する、占拠する、引き継ぐ
  • plant pathologist : 植物病理学者
  • infested with… : ・・・に群がっている
  • tricothecenes : トリコテセン カビ系の毒素
  • fermenter : 培養槽
  • liquid diet : 流動食
  • toxin  : トキシン類 これも菌類の毒素、腐海の主成分(嘘)
  • precipitously : 急激に、あっというまに
  • heave-ho : よいしょ、お払い箱

オバマ大統領の出生懐疑者の背後にあるもの

ハーバード大学のMahzarin Banajiとサンディエゴ州立大学のThierry Devosが、白人系アメリカは、どういう分けかアジア系、アフリカ系アメリカ人よりも白人系のヨーロッパ人をよりアメリカ人的であると認識しているという社会的潜在認知に関する研究を行った。この研究結果は何故多くのアメリカ人がオバマ大統領がアメリカ市民権を持たないという噂を信じてしまう事について説明を与える。

いわゆる「出生懐疑者」は、オバマ大統領がアメリカ出身である事を受け入れていません。この一見不合理な考えの原因の一部は「社会的潜在認知」にあります。これは私たちが自身の深いところで常に持っている仮定事項で、普段私たちはそれを意識することなく振る舞っています。

ハーバード大学のMahzarin Banajiは潜在認知を研究しています。昨年の秋に彼女は議会の科学論文振興の年次会議にてアジア系アメリカ人に対する偏見に関する研究についてジャーナリスト達に話しています。

”例えば、アジア系の有名人の名前を挙げたとしたらどうでしょうか? Connie Chungはどうでしょう? 彼女らはアメリカ人らしく見えないでしょう? そうですね、Hugh Grantと比べてどうですか? 私たちもこれは風変わりな研究だと考えてます。でもこれは、実際にそうなのです。”

驚くべき事に、白人系アメリカ人はHugh Grantのような白人系ヨーロッパ人をアジア系アメリカ人であるConnie Chungをよりアメリカ人的であると見なしていたのです。そして2008年に尾こなれた同様の研究で、白人がTony Blair前英国首相がオバマ大統領よりもよりアメリカ人的であると見なしているということがわかりました。オバマ大統領を異質であると見なす心理的なフレームワークは、医療保険用語を使うと「保証除外」といったところでしょうか。


難しいなぁ。今回の内容。内容は大変興味深い。

最後の方でオバマ大統領を異質とみなす心理は医療保険の除外対象でしょう、と言っています。つまり、保険の対象とならない潜在的な病気・・・とまでは言わないけれど、そのようなものだと言いたいのでしょう。オバマ大統領は保険義務化による実効的な国民皆保険制度の実施を目論んでいる(これが実現すればアメリカ人にとって素晴らしい事だと思うのですが)のでこういうジョークが生まれるのでしょうね。


  • birthers :  特にオバマ大統領の出生に関して何らかの懐疑を持っている人達の事を言うらしい。オバマ大統領がケニヤや中近東の出身で、アメリカ市民権を持っておらず、当然アメリカ大統領になる権利も持たない・・・と考えている人達の事だとのこと。適当な日本語が見つからない。「出生懐疑者」と言っておく。
  • cognition :  認知、認識力
  • implicit social cognition : 社会的潜在認知、社会で広く暗黙的に、潜在的に認知されている事柄
  • inherently : 生得的に、本質的に(inhere : (自動詞)生まれつきにそな割っている、内在する inherent : 生得的な)
  • somehow : どういうわけか
  • seemingly : 一見したところ
  • irrational : 不合理な
  • lie in… : 手がかりなどが・・・にある
  • pre-existing conditon : 保証除外対象となる条件 アメリカの保険で言うところの保証除外対象とは、例えば既に治療の手が入っている所の再治療に関しては、保険の免責事項となることが挙げられる。アメリカの医療保険はこのpre-existing conditon が非常に厳しくて、ある意味社会問題となっているそうだ。

2009年8月8日土曜日

痒みの起源が明らかに

Scratching the Surface of Itch: Scientific American Podcast

Sicence誌にて発表された研究で、ネズミがかゆみに反応するニューロンを持つ事が明らかになり、それらは痛みを感じる部位とは異なる事が分かった。

友人の4歳になる娘が最近、蚊にさされてどんなに不快な思いをしてるか文句を言ってきました。そのとき、彼女はいまにも大泣きしそうな顔をしていました。私たちを注意散漫にするこの「かゆみ」の不快な感覚について、多くの科学者達はこれまで、痛みに反応する神経系と同じものであると考えてきました。しかしながら、単なる痛みではなく、痒いから掻く、という命令を人間に下すニューロンの探索は、ずっと成功していませんでした。

8/7刊行のScience誌の記事によると、研究者達はついに、ネズミの脳内に特定のかゆみに反応するニューロンを発見しました。科学者達は、過去のかゆみにより反応するネズミの研究結果を徹底的に洗い出すことによって、これらのニューロンが脊髄に位置していると結論づけました。

科学者達がそれらのニューロンを不活性化させたところ、ネズミは痒みを引き起こす刺激があった場所にたいしても、そこを最早ひっかこうとしなくなりました。しかし、痛みには反応し、それを避けることができました。これは痛みと痒みを感じるプロセスが独立であることを示しています。研究者達は、この成果が最終的には、特定の生化学的な経路をターゲットとした、慢性的な痒みに対する良い治療法に繋がる事を期待しています。4歳の子どもにたいしてはどうすればよいでしょうか? 大丈夫です。もうすぐお昼ご飯がはこばれてくれば、ムシに喰われた痒みなんて直ぐ忘れてしまうでしょうから。


これも面白いです。確かに、昔、痒みと痛みを感じる神経は同じ物で、痒みのひどくなった物が痛みとして感じる、と習い覚えた事があります。知覚している末梢神経は同じですが、脳はそれを全く違うものと認識して、痒みと痛みを分けて扱っているということが動物実験で分かったという事ですね。

慢性的とは行かなくても、虫にさされた結果、しばらく続く痒みっていうのは大変いやなものです。現在の痒み止めは、有効成分に加えてメントール等の刺激物を一緒に塗って「まぎらす」ようにすることが主流みたいですが、将来的には痒みの神経反応そのものを抑制することができるようになるのかもしれません。痒みは時に耐え難い苦痛になるでしょうから、そのような痒みに苦しんでる人達にとっては福音となるに違いないです。


  • scratch : ひっかく、消す
  • surface of… : ・・・の表面、・・・に関して隠している事
  • devote : 投票する、投下する、没頭する
  • sensation : 感覚
  • burst into tears : 涙であふれる、ワーッと泣きそうになっている
  • distraction :  気をそらす、注意散漫、気分転換
  • deal with : 対処する(★★)
  • spinal cord : 脊髄(spinal : とげ状の cord : ひも、弦)
  • follow up on… : ・・・を徹底的に追求する
  • stimulus : 刺激、鼓舞など、知覚刺激(複: stimuli)
  • knock out : (ここでは)不活性化させる
  • eventually : 最終的には
  • chronic : 慢性的の
  • as for… : ・・・に関しては
  • urge  to… :

100年来の物理法則に「法則の破れ」が観測される

Century-Old Physics Law Violated : Scientific American Podcast

Nano Letters誌にて、反射の全く無い物体からの熱輻射に関する良く知られた理論である「プランクの黒体輻射則」が、黒体に対して十分近く、かつ接触しないような距離に物体を置くことで、破れる事が発表された。

1900年に伝説的な物理学者であるマックス・プランクは「黒体」と呼ばれる反射の全く無い物質から熱エネルギーが放射されるとき法則を説明しました。しかし彼は黒体に対して、物質が非常に近接した状態に置かれている場合、その法則が破れるであろうとも言っています。

M.I.Tの物理学者達は、黒体に十分近い位置に、かつ接触させないように物質を置くことでプランク輻射則が実際に破れる事を終に発見しました。これは人々にとっても良いニュースです。

研究者達はまず、百万分の一メートルの位置に平坦な板を設置しました、これは十分遠い距離で、黒体からの影響はありません。しかし、ガラスの小球を10億分の1メートルの距離までに近づける事によって、輻射束の強さがプランクの法則による予測の1000倍以上にも達する事が観測されました。この研究はNano Letter誌の8月号にて発表されました。

これは応用の可能性の面で良いニュースです。例えば、ハードディスクや太陽電池は熱による温度上昇が効率性を阻害しています。もし、実際のデバイスに対して、極近い距離に物質を設置することが出来れば、そんなムダはなくす事ができるでしょう。


これは面白いです。プランクの輻射則の破れを直接的に観測した初めての例が出てきたというわけです。

光源に対して極近い位置に物質を設置した場合の電磁場の振る舞いは近接場光学などの分野で研究されています。黒体からの熱輻射も当然「光源」と見なせるわけで、近接場光の理論が適用されるわけです。今回の結果はそれらに対する実験的証拠を初めて観察したという分けなんですね。


  • century-old : 100年来の
  • legendary : 伝説的な
  • dissipate : 消散させる
  • apart : 隔てて
  • heat buildup : 熱による温度上昇
  • walk the plank : 先頭に立たせる、地位から下ろされる、

脾臓は心臓を手助けしている

Spleen Gives Heart a Leg Up : Scientific American Podcast

脾臓には、これまで発見されていなかった、単核白血球の貯蔵庫として機能し心臓がダメージを受けたときに脾臓無いの単核白血球が作用する事が、Science誌にて発表された。

可愛そうな脾臓、これまで脾臓はその機能に値する賞賛を受けてきませんでした。現在まで、科学者達は脾臓が免疫システムの一部を成している事を知っています。しかし、脾臓は無くても健康に生活でき、そうしなければならないときには犠牲にできる臓器であり、(取り除いても)大きな影響を与えないと考えていました。ところが最近、ボストンの研究者達が脾臓が心臓のダメージを修復する役割があると主張しています。7/31のScience誌にてこの研究が発表されました。

研究者達は脾臓が単核白血球の主要な貯蔵庫と為っていることを示しました。単核白血球は感染症と戦う細胞で、これまで骨髄液の中にのみ存在すると考えられてきました。科学者達は脾臓由来の単核白血球を偶然によって発見しました。心臓が受けたダメージを調査中に、その箇所に全循環系にあるものよりも多量の単核白血球があることを発見したのです。さらに脾臓がその貯蔵源であることを発見しました。

心臓麻痺の発生後脾臓は単核白血球を放出します。心臓に達すると感染症と戦います。これは心臓組織を修復する際に非常に重要です。研究者達は他にも脾臓の単核白血球が重要な役割を果たしている場合があるのではないかと考えています。臓器界のロドニー・デンジャーフィールドである脾臓はもっと尊敬されるべきですね。


結びの文章で出てくるRodney Dagerfield氏はアメリカの著名なコメディアンで、やや自虐的なネタを含む数々のコメディーが大変高い評価を得ているそうです。氏のキャッチフレーズ「Get no respect」はアメリカではとても有名だそうです。「Get no respect」であった脾臓が、実はリスペクトされるべき存在であった事を、まさにDangerfield氏のキャッチフレーズと氏に対する本来の評判のようだと言っているわけですね。


  • leg up : 援助、手助け、援助する
  • spleen : 脾臓
  • come into play : 作用し始める
  • reservoir : 貯蔵庫、貯蔵容器
  • infection-fightiing : 感染症と戦うこと
  • monocyte : 単核白血球(白血球の種類の一つ。最も大きく補色性が非常に強い。全白血球の4~8%程度を占める)
  • deserve : (自動詞)(賞や、賞賛を受けるのに)値する、ふさわしい、(他動詞)・・・を受けるのにふさわしい
  • immune : 免疫(be immune to … : ・・・に対する免疫を持っている)
  • expendable : 消耗品、消費できる、犠牲に出来る
  • crucial : 重大な、不可欠な
  • marrow blood : 骨髄血
  • by accident : 偶然の出来事から
  • surge out : どっと流れる
  • heart tissue : 心臓組織

2009年8月3日月曜日

腕を振ることでエネルギーを節約している

Swinging Arms Save Energy: Scientific American Podcast

私たちが歩いている時に腕を振る事で、歩行のときのエネルギーの消費を大きく押さえているという研究結果がThe Royal Society journal Biological Sciences 誌にて報じられた。腕を振らずに歩いた場合に比べて12%もエネルギーの消費を押さえられる事が分かった。

私たちは腕を振って歩きます。しかし、何故腕を振るか考えたことがあるでしょうか。バランスを取るためでしょうか。それとも進化の名残? そうしないとお馬鹿さんに見えるからでしょうか。英国王立学会誌Biological Sciences誌にて、私たちが歩く際に腕をふるのは、振らない場合に比べてエネルギーの消費を押さえられるという面があるからである、という研究結果が示されました。

人間が四つ足で歩かなくなっても、私たちは足を上げるときに、何故腕も一緒に上下に振るのかは、未だ理由は定かではありませんでした。これまでの研究では、何らかの筋肉が関係しており、手は振り子のように受動的に動いているわけでは無いことが分かっています。つまり、なんらかの利点があるに違いないと考えられています。

それを明らかにするために、科学者達は歩くロボットと人間のボランティアが腕を振って歩くばあいと、体の側面に固定して歩く場合の比較研究を行いました。その結果、動き回っている人間にとって、腕を固定して動く場合の方が、腕を振って動く場合と比べて12%程度エネルギーの消費が多いことが分かりました。腕を振る事で足の動きが弱まり、結果としてエネルギーを節約出来るというわけです(足を動かすエネルギーが腕に伝わり、足の動きが一端弱まる。結果強くなった腕を振る勢いが、次の一歩を踏み出すのを助ける、故にエネルギーが無駄にならないという意味だと思う)。次に散歩にでかけるときは腕を振るのを忘れないようにしましょう。”’Cause it don’t mean a thing if it ain’t got that swing”

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陸上競技などでは、スピードにのるためには腕の振り方が大変重要と効きます。大変納得しやすいです。

訳文の最後の部分はジャズの有名な曲の名前のパロディみたいです(Duke Ellington の It don’t mean a thing (If it ain’t got a swing)Googleで検索して初めて知りました)。直訳すると「なぜなら、スイングしてなきゃ意味がない!」でしょうか。腕のスイングとswingをかけてるんですね。

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  • ambulation : 歩行
  • immobile : 固定の、不動の
  • relic : 遺跡、遺物
  • doofuse : 愚か者、馬鹿者(俗っぽい言い方)
  • pump : 上下運動する
  • limb : 手足
  • secure : 安全を確保する、固定する
  • offset : (動詞)弱める、相殺する

2009年8月2日日曜日

雨粒のサイズ

Raindrop Sizes Surprises : Scientific American Podcast

突然の土砂降りに遭ったとき、雨宿りの場所めがけて走っているあなたに襲いかかる雨粒の大きさについて考える人はいないでしょう。しかし、物理学者達は考えるんです。そして物理学者達は、人々の頭上や地面に落ちる雨粒は雲から落ちる時の大きな粒の残骸であるという結論に達しました。

雨粒は嵐の中でも様々な大きさをしています。科学者達はこれまで、観察されている大きさの分布となるためには、雨粒は落ちながら互いにぶつかり、砕けたり、結合したりしていると考えていました。最近、フランスの科学者チームが高速撮影カメラによる雨滴の撮影映像を発表しました。そこで科学者達は、雨滴が落下方向と垂直な方向(地面と平行な方向)に広がっていくのに、雨滴どうしがぶつかり合う必要が無いことを発見しました。雨滴の広がりは、雨粒単独が断片化することでも起こるのです。この結果はNature Physicsのオンライン版にて発表されました。

高速撮影映像により、水滴は、初めは落ちていくにしたがい平らになることが示されています。急降下していく「ホットケーキ」はさらに薄く広がり、ついには空気を包んでいきます。それらは空気でふくらんだ小さなビニールの食品用バッグ(=レジ袋)のような形をしています。袋がある程度大きくなると、はじけるのです。そして(雨粒は頭上に降り注ぎ、結局)何故今傘を持っていないのか不思議に思うという分けです。

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ちょっと前7/21のPodcast.

これは面白い。

雨粒は空気抵抗の力だけでどんどん広がり、分裂していくという直接的証拠が得られたという分けです。雨粒同志がぶつかり合わなくても良いと言うことが分かったんですね。雨粒の形成過程は思ったよりずっと複雑な現象みたいです。高速度撮影映像から詳しい原理が分かれば、色々面白い事が分かるんでしょうね。将来的には人工降雨技術とか、ドライフォグなんかの技術の基礎となったりしたら更に面白いかもしれないです。

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  • get cought in a downpour : 大雨に降られる
  • the shattered remains of… :粉々に砕けた・・・の残骸
  • coaleasce into… : ・・・に結合する
  • footage : 映像、撮影された画像
  • fragmentation : 分断、断片化
  • reveal : 判明する、暴露する(★★)
  • plummnet : 急落する、急落すること
  • pancakes : ホットケーキ
  • grocery bag : 買い物かご(特に食べ物を入れる)

「同期的まばたき」が情報のロスを防ぐ

Synched Blinks Avoid Data Loss: Scientific American Podcast

「シンクロナイズドスイミング」については聞いた事がありますよね。では「シンクロナイズドまばたき」は? これは怠け者のための新しいオリンピック競技ではありあせん。これはテレビやビデオを見ているときに起こっているであろう現象です。良い場面を見逃したいと思う人がいないが故に起こる現象です。

現在見ている光景を記憶のとどめる事を一端ストップするためには、まず「見るのを止める」のに長い時間を費やす必要があります。私たちは数秒に一度の割合で瞬きをしています。これは一分当たり6秒程度の割合になり、10%程度の時間は視覚情報が脳に入ってこない事を意味しています。しかし、私たちはこの「視覚への割り込み現象」に気がつく事はありません。

私たちは暗闇に取り残されまいするからこそ、まばたきを刻むのです。王立学会誌であるBiological Sciences誌にて同様の主張がなされました。14人の被験者がMr.Beanを見るという実験をしたところ、全員が同様のタイミングでまばたきをする傾向があることが分かりました。Mr.Beanが何か面白いことをした後や何の変哲もないロングショットの際にまばたきをする傾向があったのです。このような被験者のまばたきの「同期」は水槽を泳ぐ魚のビデオの時は起こりませんでした。

Mr.Beanの休日が平穏であろうとなくても、それを目を見開いて見ている間は、それに注意を払っているという事なのです。

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まばたきは注視後に起こる目と脳の休憩の役割があり、まばたきで休憩するために、注視していたことがより記憶に残りやすいということでしょうかね。

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  • slacker : 怠け者
  • time : (他動詞) 時間を計る、時計を合わせる、調節する、ふさわしい時を選ぶ、タイミングを合わせる。(自動詞)時を刻む、一斉に動く
  • it turns out… : 結局・・・であることが分かる
  • in one piece : 平穏無事である(ひとつなぎである) たぶんここでは平穏であるか否か、ということと、まばたきして、自分がみている光景がぶつ切り(in one piece)でないか否かをかけているのだと思う

「読む」事で脳は体験している

Brain's Moving Experience When Reading: Scientific American Podcast

DickとJaneの事を覚えていますか?そして二人の犬のSpotの事は?恐らく彼らの事は1年生の時に読んで知っているのではないでしょうか。「ほら、Spot走って!走って、走って!Spot!」です。Psychological Science誌に寄稿された論文にて、あなたはSpotが走っている光景を見るだけでなく、あなた自身が走っている事が示唆されています。少なくともあなたの脳の中で・・・ですが。これは、ある行為を制御する部分とその行為の記述を読んだ時に反応する脳の部位が同じであるためです。

科学者達は長年の間、私たちの脳は読む事によって読んだ内容をシミュレートしていると考えてきました。行動科学の領域では、サッカーのゴールを決めた内容を読み、その動きをまねするように文面で指示した場合の方が、口頭や、頭を叩く等の手段で指示する場合より、より速く脳が反応することが分かっています。近年では実時間領域での脳画像解析技術を用いて、ある文章を読んだときに脳の中で何が起こるのかを調べられています。その文章にはRaymondという7歳の男の子の日常が28のテーマにまとめられています。例えば、「ベッドから起き上がる」、「英語の授業中席に座っている」などです。案の定、Raymondが学校に向かって急いでいるのを読んだ時には読者の脳細胞で「急ぐ行為」を司る部分がより反応することが分かりました。

幸運なことに、ものまねをするのは脳の内部に限られるようです。私たちは読んだ内容のとおりに動いたりはしません。もし動いてしまうならば、新聞を読んでいる人の隣りに座ろうなんて絶対に思わなくなってしまうでしょね。

==

「読む」事によって反応する箇所と、自分がその行為を行う事によって反応する箇所が共通しているという研究結果が出た・・・ということでした。そして、その体験談が自分のものでなくてもそうなるというところがミソでしょうか。

登場人物の体験をあたかも自分の体験のように感じられることが読書の醍醐味の一つであることを考えると、この結果には感覚的に納得できるという意味で頷けるものがあります。それと同時に文字の列である「物語」を脳内で体験として想起できるという、脳の高機能さにビックリしてしまいます。この記事では、特に読んだ場合の方がより体験として再起されやすいとの事でしたが、例えば映画を見たり、実際に人がそれをしているのを見た場合ではどうなんでしょうかね。この記事だと、おそらく弱くしか反応してないと言うことになるのでしょうか。

文字を理解するのに脳の中で「視角化」をする必要がある。そのために自分自身の体験を想起し追体験する必要がある。よって脳の行動を司る部位が反応するといったところでしょうか。

読書の際に感じる、映画を見る時とは違うあのリアルさは、読む事で自分の体として追体験(脳の中ですが)しなくてはならないからなのかもしれません。

==

  • Dick, Jane and Spot :
  • For years : 何年にもわたって、長年の間
  • suspect : 疑う
  • behavioral study : 行動科学
  • score a goal : (サッカー、アメフトなどで)ゴールを決める
  • scurry : 急ぐ、疾走する、急いでする、急いで行く
  • govern : 支配する、統率する
  • spring to life : 急に活気づく
  • confined to… : ・・・に限定される
  • act out : 演じる

2009年7月28日火曜日

オオハシは大きなクチバシで放熱している

Toucan: Put Heat on My Bill: Scientific American Podcast

オオハシの大きなくちばしはこれまで生物学者達を悩ませてきました。ダーウィンは交尾の相手を引きつけるためであると仮説を立てています。それとは別に、縄張り争いや果物の川をむく等に使うなど、これまで立てられている仮説は多岐に及びます。しかし、サイエンス誌に7/24に寄せられた報告では、何故鳥類の1/3が大きなくちばしを持っているのかに新たな説明を提供しています。著者らの報告では、オオハシのくちばしが大きいのは「顔に取り付けられたラジエータ」として機能しているからだと述べています。オオハシが自分の体を冷やす必要があるときには、くちばしは暖まっているのです。くちばしの大きな表面積は熱を効率よく大気中に放出します。実際に、科学者達はオオハシが睡眠の準備をするときはたった数分で体温を10℃程度下げる事ができると述べています。

科学者達は赤外線サーモグラフィ装置(同様の技術が熱感知カメラに使われている)を用いて、異なる環境温度下において、オオハシの体温を測定しました。その結果、環境温度が上昇するときはオオハシのくちばしの温度が上昇するのに対して、体温自体は上昇しませんでした。科学者達は、他の大きなくちばしを持った鳥類もこのようにして体温を調整しているのではないかと考えています。鳥は汗をかかないので、この便利な「放熱器」が羽を綺麗に保っているのは間違いなさそうです。

==

題目の原文は「Toucan : Put Heat On My Bill」。put it on my bill.で・・・をツケといてくれる?の意味。itとheatは発音が似ているから、そこのところをかけているんでしょう。

オオハシのクチバシがヒートシンクの役割をしているかもしれないという話。これまでは、主にエサとなる果物を効率的に啄んだり、メスを引き寄せるためと考えられていたそうですが、環境温度とオオハシの体温、くちばしの温度をサーモグラフィで測定したところ、担っているのはそれだけではないという兆候が見られたとのことだそうです。つまり、くちばしが放熱器になっているらしいと。鳥は発汗しないそうなので、体温調節のための重要な器官ではないかと言っています。

やはり自然界では、明らかに目立つ部分にはそれなりの役目を担っているんですね。目立つリスクを負ってでも必要で、それだからこそ大きいくちばしは強さの象徴ってところでしょうか。

==

  • toucan : オオハシ
  • bill : 請求書、明細書、(ここではクチバシの意味)
  • perplex : 当惑させる、迷わせる
  • attract : 魅力で引きつける、魅惑する、引きつける、誘致する、電荷などが引きつけるなど
  • mate : 仲間、相方、助手、配偶者、つがい、交尾相手など
  • range from A to B : AからBに及んでいる
  • as to… : ・・・ついては
  • shnoz : 鼻、俗語 (schnozz,nose)
  • strapped to… : ・・・に結びつけられた
  • beak : くちばし
  • heat up : (句自動詞)あたたまる
  • immense : 巨大な、広大な
  • dissipate : 消散する、拡散させ消す
  • lowers : (自動)下げる、低くする
  • in preparation for… : …に備えて
  • speculate : 推測する、仮説を立てる
  • regulate : 調整、統制する
  • ruffle : 逆立つ、しわが寄るなど

2009年7月14日火曜日

罵りは痛みを消す

イギリス、Keele大学の脳神経学者によると、「口汚い罵り」は実は肉体的苦痛を和らげる効果があるそうです。近く8月5日に刊行のthe journal of NeuroReport誌において、研究者達は罵りが殆どの言語と比べて違った物であることを発表します。罵りは、理性に訴えかける左脳よりも。感情を司る右脳を活性化させます。

研究者達は大学生達の手に冷水を浴びせかけ、本人の言うがままに罵りの言葉を繰り返させる実験を行いました。このとき、学生達は、罵りの言葉以外の発言を許された場合と比べて、この「冷たさのどん底」をより長い時間耐える事ができました。研究者達は、罵った学生達には心拍数の上昇が見られ、罵りが原始的な「恐怖」や「闘争」という反応を引き起こしていると言っています。

この研究は、罵りが古来よりある社会的現象であり、心理的、物理的影響の両方を伴う事を示唆しています。そしてまた、社会的に無難な言葉だったとしても、それはあなたが「クソ痛ぇ」思いをしていないとは限らない事も示唆しています。

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なるほど。物理的、精神的に痛い重いをした時は、確かに絶叫とともにその痛みを忘れたりしたり、そんな事をしたい気持ちに駆られますね。興奮状態が痛みを消すのは、多くの人が経験してる事かなと思いますが、罵りがそれと同じ反応を引き起こすって事なんですね。人間にとって意味のある言葉が、野性的な反応と関連しているってのがちょっと面白い。

そして、こういうことをマジメに実験研究している人達がいるのも面白い。

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  • profanity : 罵り、罵詈雑言
  • bleep : ビープ音で消す
  • f-bomb : (日本人にはイマイチピンとこない「Fu○k」の様な汚い言葉に対する隠語。直接口にするのがためらわれたり、文章にそぐわないがこの言葉を指して述べなければならないときに、これが用いられる。辞書とかにはのってない。wikipedia見たらこんな感じの説明が載ってた。F-wordとも。)
  • Profanity bleeps phyiscal pain. : 罵りが肉体的苦痛を打ち消す。(bleep はビープ音で消す事だから、ほんとならテレビ等でピー音でbleepされてしまうような汚い言葉が、場合によっては肉体的苦痛を消す・・・bleepする。といった感じかな)
  • relieve : 不安、苦痛を取り除く、軽減する、交代させる、解任する
  • upcoming : もうすぐやってくる★
  • issue : 論点、課題、発行物、刊行物
  • swearing : ののしること
  • cerebral : 脳の、感情より知性に訴える
  • reserved for… : ・・・のために確保されている
  • submerge : 水中にしずめる、水浸しにする
  • …of one’s choice : 自ら選んだ・・・
  • tolerate : 我慢する、大目に見る
  • abyss : 深淵、どん底
  • foul-mouthed : (日本語的に言うと、放送禁止用語使用者。口が悪かったってことかな)
  • downplay : 軽視する、蔑ろにする

2009年7月11日土曜日

Shell Sock : 甲羅の発達の秘密が明らかに

Shell Shock: Turtle Development Secret Revealed: Scientific American Podcast

亀は如何にして甲羅を得るのか・・・キプリングの小説のタイトルのように聞こえます。しかしこれは、科学者を悩ませてきた「問題」なのです。絶滅種、そうでないものも含めて、亀に似た、体を覆うように形作られている骨格を持つ生物はいません。科学者達は、進化の永い時間を経て、小さな骨のプレートが皮膚と融合したものであると考えています(亀の甲羅は皮膚と張り付いた構造をしている、と言う意味。分かりにくい)。しかしこれとは異なる経過を辿るという研究結果が7月10にScience誌に発表されました。

殆どの動物では、肩甲骨は肋骨の外に横たわる様に位置しています。しかし亀はそうなっていません。肩甲骨が骨で囲まれているような、進化上の中間型も存在していません。そこで日本の研究者達は、ニワトリ、ネズミ、スッポンの胎児の発達過程の比較を行いました。初期は全て同じ発達を経ます。しかしある時点でスッポンは異なる発達を示します。

発達を経る毎に、体の内部で自身を支えていきます。肩甲骨は肋骨に固定されます。肋骨は固定され続けますが、骨と筋肉の間に新しいつながりが生じます。次に甲羅が発達し、肋骨と融合し、肩甲骨を中に入れるように形作られるのです。

いわゆる小説のようなオチがあるわけではありませんが、事実として大変面白いですね。

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事実は小説より奇なり。しかしながらその「奇」に気づき真っ正面から解明を試みるには、相応の知識と労力が必要なものです。

カメの甲羅のような、肋骨、肩甲骨の周囲に構造物をもつ中間形態が存在しないことに注目し、胎児の発達のどの段階からカメ独自の発達が発生するのか調べたという事でした。肋骨と肩甲骨が融合→肩甲骨が筋肉と結合→甲羅が発達→脊椎、肋骨と融合、その結果肩甲骨は甲羅と背骨の内側に完全に仕舞い込まれてしまう・・・・という道筋をたどるんですね。

文意を捉えきれているか自身が無いが、ここまで。

==

  • shell shck : 戦争神経症(ここではその意味で使ってないけど)
  • reveal : 露わになる、漏洩する、明らかにする
  • Rudyard Kipling : ルデャード キプリング (作家)
  • after all : 結局の所 ★
  • extinct : 絶滅した
  • fused with… : ・・・と融合する
  • pathway : 経路
  • Not so with… : ・・・に関してはそうではない
  • rib : 肋骨
  • shoulder blade : 肩甲骨
  • chinese soft-shelled turtle : すっぽん
  • encase : 入れる(ケースのような囲みのあるものに)
  • droll : 滑稽、ひょうきんな

2009年7月10日金曜日

その便利さにも関わらず、人々は科学を重要なものと考えなくなっている

Poll: Science, Though Beneficial, Losing Importance: Scientific American Podcast

世論調査の84%が科学が社会に与えている影響をほ大体は肯定的な物と捉えています。これはPew Research CenterとAmerican Association for the Advancement of Scienceによるそれぞれの電話調査による結果で、7月9日に発表されました。

73%のが基礎研究に対する政府助成金が長い目で見て割に合うと考えています。しかし、科学技術に対する重要性に関する国民の評価は、過去10年で落ちているように見えます。1999年には世論調査の47%が科学技術の発展がアメリカの成した最も重要な事であると答えました。現在ではたった27%がそう考えています。

そして、アメリカの人々がより承知しているのは、日常生活や健康に関する科学的情報です。例えば91%がアスピリンは薬局で買える薬であり、時として心臓発作の予防薬として使用することを知っています。しかしながら、電子と原子でどちらが大きいか答えることができたのは46%に止まりました。

あなたの常識的な科学知識を測定するために、pewresearch.org/sciencequizにてテストを受けてみましょう、先ほどの電子と原子の問題もそこに含まれています。

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冒頭の”The results are in, and, Americans pretty much like science.”がどう訳したら良いか分からず。

クイズのページ。

Pew Science Knowledge Quiz - Pew Research Center

問題自体はそれほど難しくないかと思われます。自分には英語の方が問題。特に比較的新しめな科学用語とか。

アメリカの科学好きは聞いた事があります。先進諸国の中でも科学リテラシーが高いという話も聞きますが、そんなアメリカでも「理系離れ」が進んでるんでしょうか。何故なんでしょうかね。そこまでは触れられていませんが、興味深い話題です。

==

  • those polled : 世論調査の対象者
  • survey : 調査
  • conduct : 指揮する、導く
  • federal funding: 連邦政府の助成金
  • in the long run : 長い目で見れば(pay in the long run. 長い目で見れば割に合う)
  • be aware of.. : ・・・を承知している、気がついている
  • over-the-counter drug : 薬局で買える薬

性分化は寄生虫のおかげ?

Are Parasites to Thank for Sex?: Scientific American Podcast

「性」は進化の素敵な贈り物の一つ、私たちはそう考えているかもしれません。しかし、進化の観点から見ると、些か非効率でもあります。子孫を残すのに、適当な異性を探す必要が無ければ、繁殖はもっと楽なはずです。では、何故進化は性分化を考え出したのでしょうか?

生物学者達は寄生虫が原動力の一つとなったという仮説を立てています。現在、科学者達はその理論の検証を行う機会を得ました。単性生殖はいわばクローンを生み出す行為です。遺伝的に同一なため、同じものに弱い性質を持ちます。そのため、同じ寄生虫によって全て同じように死に至る事になります。しかし、性分化は遺伝子トランプをシャッフルするのです。

ニュージーランドに広く分布するあるカタツムリは有性生殖・無性生殖両方で繁殖を行います。研究者達は10年かけて二つの(有性生殖を行う集団と無性生殖を行う集団)カタツムリの集団を観察しました。どちらのグループにも多数の寄生生物が寄生しています。大方の予想通り、実験開始時には多数いた単性生殖を行うカタツムリは寄生虫の感染により多大な損害を被りました。有性生殖を行うグループの個体数は安定していました。実験結果はJournal American Naturalistに発表されました。

次、あなたが誰かにセクシーさを感じたとき、それは寄生虫のおかげなのかもしれません。

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ふーん。

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  • parasite : 寄生虫、寄生生物
  • perspective : 物の見方、観点、ものの見方、遠近法
  • do away with… : ・・・を排除する、・・・することを止める
  • come up with… : 思いつく、答えを見つけ出す
  • have had a chance to… : ・・・したことがある
  • asexual reproduction : 無性生殖
  • lead to… : ・・・に至る、引き起こす、もたらす
  • identical : 同一の、一致する、同室の
  • succumb to… : ・・・のために死ぬ
  • common in… : ・・・では良くある
  • live off… : ・・・に寄生する、すねをかじる
  • as expected : 大体の予想どおり
  • plentiful :  豊富な、多産な
  • suffer : 苦しむ、不快を経験する
  • be suffered… : ・・・損害として被る
  • be infected with… : ・・・に感染する

2009年7月8日水曜日

本当のマスメディア

Really Mass Media: Scientific American Podcast

携帯電話やインターネットでニュースを読む人が増加し続けています。ロンドンで先週行われた行われた科学ジャーナリストの世界会議にて、マサチューセッツ工科大学のKnight Scuence  Journalism Programの主催者であるPhilip Hilts氏が世界のインターネットと携帯電話の使用状況の概説を行いました。

「インターネットの使用者、購読者は15億~20億人に達します。議論のポイントは、北米ではインターネットが普及しているが、アフリカではそうではない所であり、人類は二つの異なる惑星に分かれて暮らしているような状況である事です。実際に、アフリカでの普及率は5.6%であり、アジアでは17%という状況ですが、この数値は急激に変化しています。現在アフリカでは12倍の速度で成長しています。アジアではおよそ6倍の速度です。普及していない場所でこそ最大級の成長があるのです。」

「携帯電話でニュースを読むことは、スマートフォンの世界的普及や、アフリカに通信ケーブルが敷設され利便性を受けられつつあるように、いままでは存在しないものでした。1980年には1120万台の携帯電話があり、普及はゼロ(ゼロ同然)でした。そして、現在の普及率が60%であることから判断すると、41億人の購読者が存在します。中国、インドは地球における携帯電話使用の中心地でしょう、それはアメリカ、ブラジル、日本、イギリスから続いて、そうなりつつあるのです。」

==

携帯電話、インターネットによるニュース購読が、その普及率から見て、最大規模のマスメディアになりつつあることを指摘しています。

この手の話は昔から言われていますが、ネット・携帯大好き人間(・・・とマスコミ嫌い人間)の印象から来る希望的観測であるような話が多かったです。

具体的な数字で論拠を示されると説得力が増します。

しかしながら、途上国では、そもそも工業化やインフラ整備もままならない国が多いわけで、そういった状況で携帯電話やインターネットのように、非常に高度な有線通信インフラが必要なメディアが直ぐに普及するものでしょうかね?まずはテレビ・ラジオの様な電波によるメディアが普及するような気がします。高度な有線通信メディアはその後かな・・・と。加速度的な成長も直ぐに頭打ちになったりして・・・と思うのですが。それとも都市部への人口密集が数値上の普及率を押し上げていくのでしょうか。

==

  • ever increasing numbers of people : 現在までの人々の増加(何かに関連する人々の増加と言った意味で、population=人口の増加といった意味とは違ってそうだ)
  • consume : 消費する(consuming (adj) : 破壊的 だって、へぇ)
  • via the internet : インターネットを通じて (via (prep) : 経由で、通じてなど、throwに似た意味だが、人とかでは無く、インフラ的なものの場合に使う事が多いのかな。辞書の用例を見るとそんな印象がある。)
  • subscriber : 購読者
  • short in penetration : 普及の不足(short in… : ・・・の不足)
  • penetration : 貫通、普及、洞察(言葉のideaが分かりにくいなぁ)
  • core of… : ・・・の中心
  • look at… : ・・・から判断する(Looking at… : で ・・・から判断すると)

科学報道の将来

Future of Science Coverage: Scientific American Podcast

世界科学ジャーナリスト会議にてサイエンティフィック・アメリカンの編集長であるJohn Rennie氏が、ジャーナリスト達が将来に行うべきことについて、議論を行いました。氏の評論はこのポッドキャストについても大いに関係のある事です。

「ここでの疑問は、科学記事が公共の福祉に寄与するにはどうすれば良いか?という事です。私はこの疑問には幾つかの回答があると思います。その一つは、(科学報道が)良い影響を与える事はそれほどないだろうという事です・・・つるし上げられる前にここを出たいので、言い換えさせて頂きますと、”少なくともある点においては”それほど影響は与えないだろう・・・と言うことです。もし、私たちの仕事が・・・詰まるところ、人々に科学技術について良く知ってもらうことであるのならば、例えば”何がガンを起こすか/直すのか”という記事は、その技術自体に関しては寄与できる事は少ないと考える分けです。」

「私は、実のところ、この問題はまた別の問題にダイレクトに関係していると考えています。それは、私たちが、科学報道というものが、科学報道の95%がそうであるように、「権威ある学会誌に興味深い論文が載った」という形として定義づけている、というモデルに従っていることです。実際それが科学報道を形作っています。私たちが科学の知識を十分に得る事以外は、科学技術が社会に与える影響とは全く関係がありません。それは(科学自体ではなく)科学報道が社会に与える影響なのです。それこそが科学報道なのです。」

「重要な論文が出版されたとしても、出版されたその時に科学が社会を変える分けではありません。現実のところ、科学がそれ自体の役割を果たすのには時間がかかるのです。研究によって新しい事実が発見されたならば、それをテストし、検証し、再構成するのです。新しい論文はそのような営みの出発点にはなりますが、実際のところ、科学技術の変化はかなりの時間の後に着いてくるのです。私たちが、何らかの発見がもたらすエキサイティングでドラマティックで革命的な変化について、大きな見出しを書いてから、長い時間が経過してからのことなのです。」

「報道すべき事になにか規定のようなものが必要とは考えていません。しかし、それが、編集者として科学報道とは何であるかについて考えるように努める責任がある理由なのです。」

==

文意は大体合ってると思う。ディテールはグダグダ。

中々に興味深い話題。

多数の科学報道と、報道された科学技術が社会に影響を与え始める事に時間的ギャップがある事を指摘。そこから、科学報道自体は科学技術に影響を与えていない事が厳然たる事実である・・・と言っています。では報道の意義はどこにある?という考察・・・と言うか問題提起でしょうか。

もちろん科学報道には大きな意義があるでしょう。

そもそも時間的なギャップが存在するのは、普及させるためには技術の洗練が必須なためです。世間に受け入れられるために時期を待つ必要もあるでしょうし。投資も必要でしょう。そういう意味で、最終的に科学技術を受け入れるのは多数の非専門家という事になるわけです。その非専門家達が上手に科学技術を取り入れるためには、技術の取捨選択が必須です。取捨選択を行う知識を得るには、やっぱりある程度の啓発や予備知識が必要なわけで、科学技術報道はそこにこそ意義がある。

では、本来の意義に立ち返った時に、報道のスタイルはどうあるべきなのか?権威ある論文誌に査読付きで採用されたからと言って、じゃあ、それをどう伝えたら良いのか・・・それについては具体的に述べられてませんね。ちょっと残念です。編集長の話の続きが聴いてみたい気がします。

科学の報道の意義は、技術の取捨選択だけでなく、科学リテラシーの底上げとか、他にも沢山の意義があると思いますけどね。

==

  • science coverage : 科学報道
  • outgoing : 費用、出費、社交的な、去っていく
  • remark : 評論、意見、備考
  • pertain to… : ・・・に関連がある、・・・にふさわしい
  • unlynche : ?(絞首台から逃れる?生還する?この場で吊されずに済む?かな)
  • amend : 改心する
  • there should be less of some of it : (ある点ではそれほど良くならないだろう、のような表現かな? some of it で「科学のある点では」と限定する事によって表現を和らげてるのだと思う。)
  • inform : 人々に情報を与える
  • I for one : 私個人としては
  • prestigious : 誉れ高い、名声のある
  • A constitute(s)  B : AはBを構成する
  • put into press : 出版する・・・でいいかな?
  • it takes time : ~するのには時間がかかる
  • to play itself out : それ自身が本来の役割を果たす
  • confirm : 立証する、確認する
  • rework : 作り直す、やり直す
  • landmark : 目的地などの目印、陸表、象徴
  • prescription : 規定、指示、処方
  • come down to : 降りてくる、下る、届く、及ぶ、するはめになる、落ちぶれて・・・になる、零落して・・・するはめになる
  • rethink : 再考する
  • count : 数える、重視する

2009年7月5日日曜日

絶対音感と遺伝の関連

Genetic Link For Perfect Pitch?: Scientific American Podcast

私たちは絶対音感が生まれ持って授かった才能であると考えているかもしれません。American Journal of Human Genetics誌にてそれ(絶対音感が生来的なものである)事のある証拠が紹介されています。

サンフランシスコのカリフォルニア大学の研究者達が、ネット上で1万人に渡って実施された(絶対音感の)テストの結果を調査しました。特に驚くべき所もなく、絶対音感を持つ人もいれば、持たない人もいるという結果になりました。

しかし、これと近い別な研究では、73組の家族を調査した結果、ヨーロッパ系、かつ絶対音感の持ち主の第8染色体に、ある遺伝子群を発見しました。どの遺伝子や同義遺伝子が主要な役割を担っているのか、より焦点を絞るには更に研究が必要です。また彼らは、比較研究のために、(絶対音感を身につけるための)同様の音楽的訓練を積んだ人々の調査研究を行うつもりです。

乳児が絶対音感を持つというデータもあるため、研究者達は、恐らく加齢とともに失われる絶対音感が、いわゆる「音感遺伝子」によって、子どものころの(音感を失う/身につけるのに)重要な時期に強化される(ために絶対音感を失わない)のではないかと考えています。

==

ふーん。

==

  • innate : 生得的な、生まれ持った
  • zero in on… : ・・・に焦点を絞る
  • intend to … : するつもり
  • individuals : 特定の個人
  • crucial period : (危機的、重要な時期)

2009年7月3日金曜日

多雨地域は北に動きつつある

Rain Zone Moving North: Scientific American Podcast

もしニューヨークに住む人に話しかけたとしたら、雨の話を聞くことになるでしょう。サイエンティフィック・アメリカンのあるニューヨークでは6月半ばから毎日雨が降っています。

まだ私たちは熱帯収束帯の中にはいません。熱帯収束帯とは、赤道の丁度北から太平洋にまたがった区域にあり、30000フィートに及ぶ暑い雲が年間13フィートに及ぶ降雨をもたらしています。

しかし、地球の最も雨の降る地域が、最終的には私たちの住む地域にたっするかもしれません。研究者は熱帯収束帯が年間1マイルに近い割合で北上しつつあることを”Nature Geoscience”誌にて発表しました。

これは非常に重要な事です。何故なら熱帯収束帯は熱帯地方に住む10億の人々に新鮮な水を供給しているからです。

研究者達は、太平洋のワシントン諸島について地殻の調査を行いました。ワシントン諸島は年間10フィートもの降雨量がある地域です。地殻のサンプルによってワシントン諸島はたった400年前には砂漠のような気候だった事を明らかになりました。パラオ諸島でも類似した状況があったことが分かっています。現在、パラオは熱帯収束帯の中心に位置しています。また、現在乾燥地帯の広がるガラパゴス諸島は、400年前には非常に湿気の多い気候でした。

21世紀半ばに差し掛かると熱帯収束帯が現在よりも75マイル以上北に来るだろうと、研究者達は予測しています。これは熱帯収束帯に関与している、関与するであろう人々にとって経済的、文化的な面で大きな意味を持つでしょう。

==

熱帯収束帯なんてものがあるのを全然知りませんでした。実際は単に北上するだけでは無いでしょうが。気候変動は様々な規模で、様々なタイムスケールで起こるんだなぁと思いました。何故そんな事が起こるのかまで言及していませんが、ちょっと気になります。時間があるときにでもこの記事のソースになった情報を当たってみようかな。

==

* intertropical : 熱帯気候の
* intertropical convergence zone : 熱帯収束帯(大気の循環により赤道付近に生じる低気圧帯。熱帯収束帯の周囲では気候が変動しやすく、積乱雲の発達や降雨が頻繁におこるらしい)
* equator : 赤道
* rainiest : 多雨
* eventually : 最終的には、結局は
* at a rate of … : ・・・の割合で
* reveale : 明らかになる
* arid : 不毛の、乾燥した
* profound(深い、意味のある) economic and cultural implications : 経済的、文化的に深い意味(含蓄、含意)
* climate : 気候

2009年7月2日木曜日

なぜ地球は凍ってしまわなかったか

Why Didn't Earth Freeze Completely?: Scientific American Podcast

炭素量の過多が地球温暖化を起こしている現在と異なり、前回の氷河期の間で炭素の量が少なすぎる事が我々の問題である(わかりにくいよ・・・「少なさ」が問題であると言っているけど、過去の氷河期に少なかったとは主張していないみたいです)。

過去の氷河期の原因の一部は何百年にも渡る岩石の風化作用が、大気中の二酸化炭素を海中に引き込み海底に定着させることにある。過去2500万年間の山脈の隆起は大気中の二酸化炭素全てを吸い込んでしまい、地球を凍死させているべきだろう。(わかりにくくてすいませんすいません・・・つまり、浸食作用によって大気中の二酸化炭素が岩石に定着する。プレートテクトニクス等の地面の大局的な移動によって岩石は海中や地中に移動する。海底で二酸化炭素が海中に溶け出して、海底に定着する。大気中の二酸化炭素濃度は減る方向に向かう。といったところだろうか)

しかしながら、このような事が起こったことはなく、二酸化炭素の大気中濃度は250ppmで安定している。

何故このような事が起こるのか?今週のネイチャーで研究者が発表した-植物である。

葉緑体は生存のためにCO2を必要とする。CO2濃度が著しく落ちる時は葉緑体は餓えている。研究者の言うところによると、火山等の二酸化炭素の供給源が大量に二酸化炭素を放出し、現在の植物が二酸化炭素を取り除く速度を上回ると、植物の数はあるレベルまで減少するとのことである。故に地球はある程度暖かさを保つ。

私たちの友(=植物)は地球が熱くなりすぎることから私たちを救ってくれているのかもしれない。しかし、最終的に私たちは自然の作用により取り除く事のできる速度を大幅に上回って二酸化炭素を排出し続けている。最終的には、私たちが二酸化炭素の排出を止める方策が必要なのである。

—Christie Nicholson

==

論旨が意味不明です。訳文の話の流れは原文と違ってないと思うのですが。

地球が過度に慣例化に向かわない理由を植物に求めていたような話しだったのに、最終的には、火山等の自然に発生する二酸化炭素の放出と植物の二酸化炭素吸収の拮抗で地球は安定した気候を保っているという話になってしまった。また、二酸化炭素濃度が数百ppmのオーダーで上下することと、それによって植物が死んだり、増えなかったりすることとどのような因果があるのだろうか分からない。火山の役割は?この話からすると凄く重要なファクターのようだけど。たしか植物は光合成のプロセスで二酸化炭素を必要以上に取り込んだりはしなかったと思うが。吸収しすぎて死んだりしなかったと思う。書いている人は二酸化炭素をまるで毒であるかのように取り扱ったりしてないだろうか・・・というのは私の穿った見方か。

2009年7月1日水曜日

女性は男性よりハンマーの扱いが上手(という場合もある?)

Women Better Than Men with a Hammer: Scientific American Podcast

ハンマーなどの重い道具を巧みに扱うことに関して、女性は男性に比べて熟達していない・・・よく知られた固定観念に従うと、私たちはそう考るかもしれない。

ある状況では女性の方がハンマーを振るうのが上手であるかもしれない事が分かった。これはスコットランドのグラスゴーで開かれた実験生物学の年次会議で発表された。

研究者たちは金属にハンマーを打ち込む力と正確さを女性と男性とで比較測定を行った。また、明るい部屋と暗い部屋で打ち込む際の「型」がどうなっているかを確かめた(暗い部屋では、打ち込む目標として暗闇で光るマークを用いている)。

結果として、確かに、男性は女性の二倍強く打ち込む事が分かったが、明るい環境では、女性は男性よりも25%以上正確に打ち込むことが分かった。また驚くべきことに、両者とも暗闇での打ち込みの方がより正確であることが分かった。この結果は男性で顕著で10%以上の高い正確さを示した。

この調査は、女性と男性はそれぞれ、正確さと強さという異なる戦略を本質的に用いる事を示唆している。しかしこれらはまだ予備的な結論である。科学者達は、被験者を増やし、さらに色々な状況下でより詳しい実験を行う予定とのこと。

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結論に関してはまだまだ、何とも言えない感じです。ハンマーを上手に振るうための「戦略」はどのようにして決まるのでしょうかね。身体能力が戦略を選ばせるのでしょうか?それがたまたま、男女差としてあらわれたのでしょうか。それとも男性・女性というものが重要なファクターなんでしょうかね。後者の場合は道具を使う動作にも相当複雑な因果があるってことになりそうです。

  • adept 熟練した
  • wield 巧みに扱う
  • like say
  • turn out 結局・・・であることが分かる
  • have a leg up 優位に立っている
  • when it comes to … ・・・に関しては
  • inheretently 生得的に、本質的に(遺伝的、継承的にという意味も)
  • putting more emphasis on… ・・・重視の傾向が強まる
  • but for now しかし今のところは