Future of Science Coverage: Scientific American Podcast
世界科学ジャーナリスト会議にてサイエンティフィック・アメリカンの編集長であるJohn Rennie氏が、ジャーナリスト達が将来に行うべきことについて、議論を行いました。氏の評論はこのポッドキャストについても大いに関係のある事です。
「ここでの疑問は、科学記事が公共の福祉に寄与するにはどうすれば良いか?という事です。私はこの疑問には幾つかの回答があると思います。その一つは、(科学報道が)良い影響を与える事はそれほどないだろうという事です・・・つるし上げられる前にここを出たいので、言い換えさせて頂きますと、”少なくともある点においては”それほど影響は与えないだろう・・・と言うことです。もし、私たちの仕事が・・・詰まるところ、人々に科学技術について良く知ってもらうことであるのならば、例えば”何がガンを起こすか/直すのか”という記事は、その技術自体に関しては寄与できる事は少ないと考える分けです。」
「私は、実のところ、この問題はまた別の問題にダイレクトに関係していると考えています。それは、私たちが、科学報道というものが、科学報道の95%がそうであるように、「権威ある学会誌に興味深い論文が載った」という形として定義づけている、というモデルに従っていることです。実際それが科学報道を形作っています。私たちが科学の知識を十分に得る事以外は、科学技術が社会に与える影響とは全く関係がありません。それは(科学自体ではなく)科学報道が社会に与える影響なのです。それこそが科学報道なのです。」
「重要な論文が出版されたとしても、出版されたその時に科学が社会を変える分けではありません。現実のところ、科学がそれ自体の役割を果たすのには時間がかかるのです。研究によって新しい事実が発見されたならば、それをテストし、検証し、再構成するのです。新しい論文はそのような営みの出発点にはなりますが、実際のところ、科学技術の変化はかなりの時間の後に着いてくるのです。私たちが、何らかの発見がもたらすエキサイティングでドラマティックで革命的な変化について、大きな見出しを書いてから、長い時間が経過してからのことなのです。」
「報道すべき事になにか規定のようなものが必要とは考えていません。しかし、それが、編集者として科学報道とは何であるかについて考えるように努める責任がある理由なのです。」
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文意は大体合ってると思う。ディテールはグダグダ。
中々に興味深い話題。
多数の科学報道と、報道された科学技術が社会に影響を与え始める事に時間的ギャップがある事を指摘。そこから、科学報道自体は科学技術に影響を与えていない事が厳然たる事実である・・・と言っています。では報道の意義はどこにある?という考察・・・と言うか問題提起でしょうか。
もちろん科学報道には大きな意義があるでしょう。
そもそも時間的なギャップが存在するのは、普及させるためには技術の洗練が必須なためです。世間に受け入れられるために時期を待つ必要もあるでしょうし。投資も必要でしょう。そういう意味で、最終的に科学技術を受け入れるのは多数の非専門家という事になるわけです。その非専門家達が上手に科学技術を取り入れるためには、技術の取捨選択が必須です。取捨選択を行う知識を得るには、やっぱりある程度の啓発や予備知識が必要なわけで、科学技術報道はそこにこそ意義がある。
では、本来の意義に立ち返った時に、報道のスタイルはどうあるべきなのか?権威ある論文誌に査読付きで採用されたからと言って、じゃあ、それをどう伝えたら良いのか・・・それについては具体的に述べられてませんね。ちょっと残念です。編集長の話の続きが聴いてみたい気がします。
科学の報道の意義は、技術の取捨選択だけでなく、科学リテラシーの底上げとか、他にも沢山の意義があると思いますけどね。
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- science coverage : 科学報道
- outgoing : 費用、出費、社交的な、去っていく
- remark : 評論、意見、備考
- pertain to… : ・・・に関連がある、・・・にふさわしい
- unlynche : ?(絞首台から逃れる?生還する?この場で吊されずに済む?かな)
- amend : 改心する
- there should be less of some of it : (ある点ではそれほど良くならないだろう、のような表現かな? some of it で「科学のある点では」と限定する事によって表現を和らげてるのだと思う。)
- inform : 人々に情報を与える
- I for one : 私個人としては
- prestigious : 誉れ高い、名声のある
- A constitute(s) B : AはBを構成する
- put into press : 出版する・・・でいいかな?
- it takes time : ~するのには時間がかかる
- to play itself out : それ自身が本来の役割を果たす
- confirm : 立証する、確認する
- rework : 作り直す、やり直す
- landmark : 目的地などの目印、陸表、象徴
- prescription : 規定、指示、処方
- come down to : 降りてくる、下る、届く、及ぶ、するはめになる、落ちぶれて・・・になる、零落して・・・するはめになる
- rethink : 再考する
- count : 数える、重視する
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