2009年9月15日火曜日

心を解き放てば忘れる

若い脳はつらい記憶を忘れることができる。しかし年老いた脳はそうでない傾向がある。Science誌に寄せられたある動物実験の結果で、年老いた脳を若い状態にもどしより柔軟にできるかもしれないことが分かった。

思い出す事が難しい出来事があります。しかし、あるものは忘れる事が難しい・・・特に衝撃的な出来事は。しかし、私たちは子どもは大人よりも、つらい出来事を忘れるのが得意であることを知っています。現在、科学者達は何故人々がそれを知っているのか考えています。動物実験の結果によると、大人の脳はつらい記憶を止める物理的なバリアを持っています。

大人にとって、感情を邪魔する出来事は脳に焼きついてしまう傾向があります。そしてその記憶は再浮上し不快感、恐怖を引き起こし、心的外傷後ストレス障害を引き起こしさえします。しかし、若い脳はより回復力があります。そして、不快な記憶を消し去りさえします。

若いときの忘却のような、より良い取り扱いを得るために、科学者達は若いネズミと年老いたネズミの脳を研究しました。彼らは年老いた脳では扁桃体の特定の細胞を囲む細胞間のつながりを発見しまいした。扁桃体は感情的な記憶に関係のある部位です。特定の音声に対して足に軽い刺激を与えた大人のネズミは、その音が聞こえるだけでたじろいだ反応を見せました。しかしある薬品でそのバリアを溶解させる、取り除くと年老いたネズミは恐怖の記憶を消す能力を取り戻しました。結果、そのネズミはその音声を聞いたばあいでも大人しくし続けました。

若干の純損失(net loss)は、実は利益になることがあるのです。


つらい記憶を重ねる事によって自分をより知ることになりますし、それが大人ならではの経験の積み重ねとなり、より分別のある行動に結びついていきます。つらい記憶は、「処世」という意味で生きるために大切な事でしょう。逆に、若い内は失敗を恐れずに挑戦することで生きる力を身につけて行く必要があります。これは脳科学に触れなくても、自分自身の経験や普段の生活で感覚的に知っていることでしょう。

そこに脳科学的なメスが入ると上の記事のような結果が得られるんですね。つらい記憶を重ねていくと、そこがよりつらい記憶を逃がさないバリアとなる。それが大人ならではの行動のタイプを生むんでしょうかね。


  • pilable しなやかな
  • traumatic トラウマとなる
  • turn out 結局・・・であることが分かる、・・・という状態で終わる
  • erect 直立させる、立てる
  • intact 影響を受けていない
  • sear into ・・・に焼きつく
  • resurface 再び浮上する
  • post-traumatic stress disorder 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
  • resilent 弾力性のある、回復力のある
  • handle 対処
  • amygdaka 扁桃体
  • associated with ~と関係がある ★★
  • flinch しりごみ、たじろぎ
  • dissolve 溶解する、分解する

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